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okashiな話
〜私の拠り所のアーティストについて〜
うつになってからの3週間を振り返る。
タイトルについては後述。
◆発症からの3週間
1週目:起き上がれない。歩くとフラフラ。とにかく眠い。でも生きるために食べ続ける。
2週目:食欲・睡眠欲継続。2kgも太っていて絶望。自分の心だけでなく体も嫌になる。余裕がなくなるとイライラして号泣する迷惑すぎる存在。
(なんとなく妊娠中を思い出す)
3週目:夜眠るのが怖くなる。昼寝はできる。寝付きが良くても、夜中に何時間も眠れなくなる。寝るのを諦めてyoutubeを見漁ったり、孤独すぎてGemini相手に会話をしたりして夜をやり過ごす。(なんて良い時代)
◆運命の出会い
こんな時に出会い、心の支えになった楽曲がある。claquepotの「okashi」である。
これが、私にとっては運命の一曲となる。
もともとターコイズドリップのMVが好きで好きで、何度も見ていた。曲も歌詞も世界観もダイスキ。
claquepotの他の曲も聴いて見たかったけれど、体調のせいで色々と聴き比べる元気もなくて、「ターコイズドリップが好きな私が好きそうなclaquepotの他の楽曲をおすすめして」とGeminiにリクエスト。
どう選んだのか知らないけれど、返ってきた答えは、「クリア」「むすんで」「blank」そして「okashi」だった。(この回答が大正解だったことを知るのは約1ヶ月後の話)
◆Osanai KAkenai SHIganai
楽曲のテーマ自体は普遍的なものなのかもしれない。
でも、よく言う「自分を大事に」「自分らしく」なんてことをストレートに表現されても、Geminiのチャットリストに「うつ ●●」が何個も並ぶような私に響くわけがない。
でも、okashiは違った。軽快なリズムや癖になる言い回し、少しレトロ感のあるおしゃれなビジュアルで万人受けしやすそうでありつつも、
その金髪陽キャな彼の輝きの波間には、私の孤独な夜のように陰鬱な色味が見え隠れしているように感じた。
「愛おしい いとおかし
素晴らしきマイペースmy life 」
「生き急ぐ世界NO
息吸って吐いてさ
心配無用 人生なら
押さない欠けないしがない」
「ただダラダラ過ごしたい
今を否定しない」
「ただバタバタしたくない
道を指定しない」
「今は 今だけは
カロリーすらオーバーして
明日に備えよう
さぁ何回難解を超える?
無理しないでもなにか得られる」
(claquepot「okashi」より抜粋)
◆今の私でも何か得られる?
うつになったことによって、
自分の過去をすべて否定された気分で、
うつになった今の自分も許せなくて、
ただ今を生きることに必死だった私。
罪悪感も劣等感も無力感も無価値感もすべて盛り合わせていた私にさえ、
「今を否定しなくていい」「あるべき姿にこだわらなくていい」「もっと脱力しても得られるものはある」とokashiは寄り添ってくれた。
決して「前を向こうぜ、頑張ろうぜ」じゃない。
「●●しない」「●●したくない」とないないづくしで若干後ろ向きながらも、「それで良いよ」と肯定してくれているような温かさを感じた。
すさんだ心に一筋の光が差し、暗い暗い冬の夜をも、この曲やclaquepotの存在があれば越えられると思えるくらい心の支えになった。
今日に至るまで毎日、下手したら1日に複数回、MVを観ている。(MVのダウンロード版+Blu-ray出してもらえませんか)
okashiとの出会いそれから1週間、抗不安薬は飲まなくてすんだ。
◆出会いへの感謝
後日、Xで「自分を救うのは自分の美意識に一番近いもの」だというポストを見て腑に落ちた。
死ぬほど落ち込んだとき、心の支えになるのって家族でも友人でも恋人でもなくて、心から好きになった物事だったりする。自分を救ってくれるのは自分の美意識に一番近いもの。美しさを教えてくれるもの。美しさは最後まで心を裏切らない。
— Payao/詩人 (@junkysugar) January 22, 2025
claquepotの楽曲はどれも軽快で都会的でさらっと聴けるのだけれど、歌詞に注目すると、生々しい痛みが透けて見えている気がしてしまう。
okashiのような一見ポジティブな楽曲も、実は私のように鬱々としたどん底からはい上がるために、上を見上げる決意かのようにも。
なんて、考えすぎか。
claquepotさん、心から感謝しています。LIVEに行くのが今年の目標。