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昨日、父が死んだ
血の繋がりがある父が死んだ。
昨日、死んだ。
血の繋がりがない父がいるわけではないが、
血の繋がりがある父と言いたい。
朝、7:30アラームの音を聞きながら
スマホ画面を見た。
"着信が3件あります"
兄からだった。
まだ鮮明になっていない意識が、ぼやけていた目が、開いた。
体中の血管が締まった。
なぜなら、普段から着信は来ない。
そして母は10年前、
心筋梗塞で意識不明が10日続いたことがある。
いつ死んでもおかしくないと覚悟していた。
だから、着信がある時は
母に何かがあったとしか考えないからだ。
電話をすぐにかけ直す。
出ない、、、
それもそうか。着信の一件目は
5:52だった。
LINEに赤丸がついている。
確認しよう。
「朝早くにごめん
起きたら連絡して
(大したことではないけど至急お願い)」
ん?大したことない?
お母さんは生きている?
けど、、変な文章
"大したことないけど至急お願い"
子供を預かってとか?
兄は現在1人で2人の子を育てている。
そう考えている内に
画面に兄の名前で着信が入った。
「もしもし?どうしたん?」
私が早々と口にした。
「いや、あの、俺らのお父さんが死んだ。」
"大したことないけど至急お願い"
確かにそうだ。
血の繋がりがある父が死んだ。
血の繋がりがない父がいるわけではない。
約26年間会ってない
血は繋がっている父が死んだ。
「叔母さんから電話あって、今病院やって、
来るかどっちでもいいし、
手続きとか葬式とか諸々は叔母さんの方でしてくれるって。
長男やし一応電話してくれた。」
んー
「俺ら複雑やけどな笑 見ときたかったら」
「んー迷うなー、仕事あるし、有給もうほぼないねん、うち。次4月に有給入るけど、どうしよかなー」
「忌引きやん、1親等やし5日ぐらいあるんちゃう?」
あ、休めるんか。
兄が続けて言う。
「お母さん行ってるらしい」
え!?お母さん行ってんの!!!???
父が死んだ事実より、びっくりした。
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