見出し画像

相続登記義務化は司法書士業界にとって向かい風!?

こんにちは、明成法務司法書士法人の代表 髙橋遼太です。

相続登記の案件は私の事務所でも連日取り扱われる案件でもありますが、相続登記に関することで、司法書士を目指す学生などからよく受ける質問を今回は取り上げてみました。

■2024年4月1日に義務化された相続登記。
司法書士業界にとってはお客から新たな依頼を受けるきっかけになることから、今後ますます活躍の場が広がるのではと期待もあるようですが、高橋先生はどうお考えですか?

 
司法書士業界においては、司法書士の存在価値がますます高まり、追い風のように言われているが私自身は、一過性かつ向かい風と感じているのが本音ですね。
相続登記の義務化によって、3年以内に登記を行わないと罰金が課されるようになりました。この「義務化」というところがポイントだと思います。
 
義務化になることで、司法書士への依頼も増えるのではないでしょうか。

 一時的には増えるでしょうが、私は一過性のものになると思います。義務化したということは、国としてはこの相続登記手続きを「複雑なままの制度にはしておけない」とイコールになるんです。これまでは、複雑かつ煩雑だったため、一般人で手続きをするのが難しく、司法書士に依頼していた仕事が、今後はデジタル化も踏まえどんどん簡易化、簡略化されていくと思います。すでに、戸籍に関しては手続きの簡易化が進んでいるので、相続登記の手続きもそのうち、自宅にいながら簡単に・・・となる日が来ると思います。
国民にとっては利便性も上がり、良いことですが、司法書士としては仕事が減るということに直結するので、正直なところこういった手続きがどんどん簡素化されていくと、食い扶持が不安ですよね(笑)
 
先生としては、司法書士の価値はどこにあると考えますか。

 もちろん変わらず、登記手続きの代行や役所への申請書類作成の案件などを受け、高い品質のサービスとともに対応していくことになると思いますが、今後は司法書士には求められる能力はコンサルティング能力だと思います。
相続の相談現場では、お客様はどのように財産を分けたらよいのか、ご自身では判断できず、悩まれるケースが多いです。そのとき専門家として、適切なアドバイスをすることで、安心感を提供し、問題解決に導く力が必須になってくると思います。これらの能力がAIに取って変わられることがないものなのではないでしょうか?
今後のAIの発達、デジタル化により、手続きをするだけの仕事は、減ることはあっても増えることはないでしょう。だから、手続きの前に発生するコンサル的業務のところで、どれだけ価値を生み出せるのか。それが今後の司法書士に求められる価値になるところだと思いますね。
 
 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?