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ドバイ日記②人の温かさに触れた日



昨日ひとりぼっちのドバイ旅が本当に辛くて、ホテルに着いてから泣いて泣いて泣きじゃくってしまった。家族のサポートや平山との電話を通じて、なんとか平穏な心を取り戻したかのようだったけど、電話が終わった後からまたじわじわと孤独感が湧き上がってきた。その瞬間にもう無理だと諦め、帰りの飛行機とPCR検査の予約をして眠りについた。



莫大なお金がかかってしまったけど、アフリカで学んだ「今を生きる」という概念がしっかり頭に残っていて今の自分の感情を大事にしようと思った。逃げかと思われるかもしれないけど、自分の精神状態のほうが大事である。予約が終わった後眠りにつくんだけど、2時間寝て、起きて、寝て、起きての繰り返しで眠ったんだか眠ってないんだかよくわからなかった。

朝、6時半に起きてPCR検査場に向かう。今日の夜のフライトを予約したからそれまでに陰性証明書をゲットしなければならない。通常よりも3倍ほど値段が張ったが、即日発行(なんと4時間で発行してくれる病院)を見つけたのでそこに行こうと思う。ホテルから出るのがすごく憂鬱で憂鬱で仕方なかったけど、日本へ帰るためのもうひと踏ん張りということで頑張って外に出た。

部屋を出ると朝日が登っていてきれいだった。でも、きれいなものをきれいだと思えるような心の豊かさがなく、早く行かなければという思いでいっぱいいっぱいだった。ホテルから病院までは歩いていけそうな距離だったので(2.30分くらい)歩いて行ってたんだけど、都会すぎて横断歩道がなく行きたい方向に行けない、なんとしてでもフライトまでに陰性証明書が必要なのでもうメトロに乗ってしまえと思い、メトロを使うことにした。

なんとなんと当駅から3駅なのに約1000円くらいかかった。本当にドバイは学生がひとりでくるようなところではない。値段に驚愕しながらも、メトロに乗る。お目当ての駅にたどり着いて降りようとするんだけど、通勤ラッシュなのか降りる前に沢山の人が入ってきて体が小さいわたしは後ろに押されてしまう。でも負けじと頑張って頑張ってなんとか降りることが出来た。

そこから病院へ向かう。入口に入ると、中で待ってろと言われて、でも数分待っててもなにも反応してくれないから病院の人に「PCR受けに来たんだけど」っていっても、「受付じゃなくて金から払いに行け」と言われてCASHコーナーを指さされた。出た、おきまりの、たらい回し。もうここらへんで、心が押しつぶされそうだったんだけど頑張ってそこのコーナーに向かう。

昨日予約したことを告げると「領収書を見せろ」という。領収書なんか持っていない。昨日疲れながら予約したので、予約できたことに安堵してしまってスクショするのを忘れてしまった。メールに病院から案内来てたからそれを見せても「領収書がないと検査できない」の一点張りで捲し上げられる。実は、通常よりも最速で検査できるコースで予約したので日本円で12000円くらいした。航空券も昨日二重に買った私にとっては大金で、もう一回払えるような値段ではない。なんとか予約したことが伝わるようにいろんな手段を使って試すも「領収書」の一点張りで、、、もうここで再度払うしかないかと思っていると、他の職員が来て「どうしたの?」と聞いてくれる。

「昨日予約したはずなんだけど領収書がなくて受付できないんだ」というと領収書の代わりを証明できるような方法をたくさん提案してくれる。「いくら払ったの?」と聞かれて「4時間コースのエクスプレス、12000円くらい払ったよ」それでボソっと「私にとっては大金なんだ」というと、その男性がおもむろに財布を取り出して受付の人にお金を払っている。ポカーンとしていると「もう大丈夫」っていってくれて「カモン、付いてこい」と言いながら歩きだしていった。何が何だがわからないまま付いていくと、「今日の何時のフライトなの?」と聞かれて「7時、だけど搭乗手続きがあるから5時までには陰性証明書がほしい」っていうと「大丈夫、1時間でなんとかなるよ」って言ってくれた。そこで、今までひとりで頑張ってた押しつぶされそうな気持ちがプツンと切れて、泣きじゃくってしまった。


泣いてる間も「ノープロブレム、問題ない」って言って安心させてくれる。泣いて泣いて泣いて、ふと考えてみるとパスポートをホテルに忘れて来たことに気付く。そしたらパスポートないとできないよってなって、どうなったと思うか。その男性が車を出してくれて、ホテルまで連れて行ってくれて別の検査場まで連れていき、またそこでお金を払ってくれて検査を受けさせてくれた。また検査中も、ずっと付き添ってくれて、手続きのわからないところをすべてやってくれた。最後はホテルまで送ってくれた。車に乗ってるときも「俺は日本が好きだよ、だから日本人が好きだ」と日本をべた褒めしてくれるし、私がひとりで海外来て友達がいなくて不安なことを打ち明けると「俺が友達やん」っていって励ましてくれて、病院とは違った感情で涙が出てきた。会ったことのない、見ず知らずの外国の女になぜそんな事ができるんだろうか

ホテルに帰ってから、昨日の昼から何も食べてないことに気付き、食欲は全然ないけど朝ごはんを食べた。そこでなんと日本人っぽい人を見かけて、がんばって話しかけるもすごくそっけない態度で返されてしまった。日本人でドバイ万博を見に来ているそうだけど、私が日本人を見かけて感動する気持ちにはならないようだった。部屋に戻って日本語の本を読んだりYouTube見たり、日本のもので落ち着かせようとするんだけど不安な気持ちは拭いきれず、ただただ時間だけが過ぎていった。

14時、病院から連絡が届く。結果はネガティブで陰性証明書も付いてきた。1時間では届かなかったけどフライトまでの時間を考えると充分すぎる。そこで安心して色んなものに手がつくようになった。ずっと書くのをためらってた日記を書き、助けてくれた男性へ感謝のメッセージを送った。「今日は助けてくれてありがとう、この御恩は一生忘れない、もし日本に来れば最高におもてなししたい、案内したい」とという旨のメッセージを送った。今になって、感謝してもしきれないな、ありがたいな、という感情が溢れてきた。私もあんな人間になりたいと思う、見返りばっかを求めずに相手に与えることができる人間になりたいと思う、時間はかかるかもしれないが大人になったときに「与える」人間になれるようになりたいと思う

今思えば、私の人生は与えられてばっかだなーと思う!何事も自分の気持に正直で自分しか見えていない!前々から気づいてはいたけど!まず自分のことを自分でコントロールできるようになって、そこから徐々に「相手に与えることができる人間」になりたいなと思います。



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