Fall2022振り返り
長かった秋学期が先週で幕を閉じ、コースの1/3が早くも終了しました。
いや〜長かった。大変だった。でも楽しかった。といったところが率直な感想です。
学期途中にnoteを更新したいなと思っていましたが、そんな余裕は1mmもなく時が過ぎ去っていました。笑
この記事ではこの秋学期の中で特に印象に残った授業やプロジェクトについて少し振り返ってみたいと思います。
User Experience Researh
いわゆるUX Researchについて学ぶ授業です。このクラスでは、個人プロジェクトで各自テーマに沿ったリサーチの実施〜プロダクト要件を導くところまでを行いました。
テーマ設定
テーマはグループ単位でざっくりと与えられて、そこから先は各自深掘りするトピックを決めてリサーチを実施します。
私のグループに与えられたテーマは"Pet Care"。
コンセプトマップを使ってグループで関連ワードを出していきトピックについて議論していきました。
リサーチ実施
上記のコンセプトマップや簡単な初期リサーチを経て、私は”ペットと飼い主のコミュニケーション”について調べることにしました。
ざっくりとリサーチの流れは以下です。
各リサーチの参加者も自力で集める必要があったため、クラスメート経由で知り合いのペットを飼っている人にアプローチしたり、ペット関連のFacebookグループに投稿したり、オンラインの掲示板に書き込んでみたり・・・と色々な手段を駆使して参加者を必死に集めました。
そもそも英語でのアンケート作成も意外に大変で、質問文や選択肢の書き方をどうすべきか、アンケートの説明文(イントロ)はどう書くべきかなどいちいち調べながら作成していったのを今でも鮮明に覚えています。
そしてアンケートをばら撒くとあっという間に60人以上の方から回答を得ることができ、ピッツバーグの人の温かさを感じました。感謝感謝です。
その中からインタビュー対象者を選定し、実際に7人の方にインタビューを行いました。初めての土地で初対面の方と英語でインタビュー。
入念にスクリプトを準備してテンパらないようにしましたが、それでもテンパりました。。。ふう。
分析&レポート作成
各種リサーチが終わったらレポートにまとめていきます。
授業では毎週、各リサーチ・分析手法に関する講義が行われ個人プロジェクトが正しいタイムラインで進むように設計されていました。
以前仕事でも似たようなリサーチ経験はあったのですが、毎度のごとながらインサイトの抽出は大変でした。
でも何よりも苦労したのは英語でのレポート作成です。
まだ私の頭の中では英語で聞いたことを日本語翻訳して理解するプロセスが走っているので、レポートのドラフトは日本語で作成しそれを英語に直す、みたいな工程を踏む形になってしまい想定の3倍くらい時間がかかりました。
全体を通して、”まあチャレンジしてみなさい”みたいなテンションのクラスだったので個人的には冒険感覚で楽しむことができたなーと思っています。
Physical Prototype
とある授業の一環で物理的なプロトタイプを作成するという課題がありました。第一弾はスマホスタンド、第二弾は球体です。ペアワークで、1日半くらいの時間で作ってきなさーいと言われました。
正直これまで物理的なプロトタイプを作る経験はしてこなかったので、このお題に困惑・・・。ペアの子とうんうん言いながら、スタジオにて制作を進めました。
スマホスタンド
精度はさておき、こんなものを作ったという記録として以下写真を残しておこうと思います。スタジオにある材料をかき集めたので手作り感満載です。笑
球体
これまたなんという曖昧なお題なんでしょう。何を使ってもいいから球体を(なるべく滑らかなもの)作ってきてください、という面白いお題でした。
3Dプリンターを使うペアもいれば、紙で作るペアもいて非常に面白かったです。
私たちも最初は3Dプリンターで厚紙を加工して球体を作ろうと思いましたが、最終的にはグルーガンを使って球体を作りました。私個人では絶対に生まれなかった発想に感激しました。
先ほどのUX Research同様、この2つの課題もとりあえずやってみてきなさい、という感じで投げ出された感覚でした。最初は戸惑いましたが、振り返ると非常にいい経験だったと思います。
この歳で、これまでしてこなかった経験を強制的にさせられるのは新鮮ですし、何かを乗り越えるためにどうやってメンバーと知恵を絞るかというプロセスも体験できました。
特に何かものを作るというスキルを身につけたい私にとっては絶好のチャンスでしたし、苦手意識の払拭にも繋がったと思います。
Visual Communication
この授業では、ビジュアライズに関する基本知識を学びました。
フォント、色使い、図形の使い方、余白の使い方、テキストの配置などなどデザイナー出身の方にとっては超基本だと思いますが、私にとっては非常に勉強になるいい授業でした。
講義の内容も素晴らしかったですが、課題も面白かったのでちょこっとご紹介したいと思います。
ホテル宿泊者向け天気予報(ポスター)
ホテルのエレベーターに貼る、宿泊者向けの天気予報のポスターを作成するという課題でした。
エレベーターという限られた乗車時間で、読み手が欲しいと思う情報をどうやって分かりやすく伝えるか?というのがポイントです。
最初は気象情報に関するテキスト情報が与えられて、回を重ねるごとに使える武器が増えていきます。
1回目:テキストだけを使ってわかりやすく表現
2回目:色も使ってOK
3回目:アイコンも使ってOK
使える要素が少ないと、少ない要素でどのようにわかりやすく表現するかを必死に考えます。一方で、使える要素が増えると何をどこで使うべきかという使い所を考えながら適応していく必要があり、それはそれで難しかったです。
この授業の良かった点は、教授やTAから毎回細かいフィードバックをもらえるという点です。初心者の私にとっては、各課題に対して細かいフィードバックがもらえるのは非常に助かりました。
CMU IDカードのリデザイン
学生に配布されるCMUのIDカードをリデザインするという課題でした。
こちらも複数回にわたって改善を重ねる形式の課題でしたが、天気予報の課題と異なるのは、この課題は”Design Critique”の練習台として使ったという点です。(もちろんテキストや色使いなどの基本的な要素は念頭におきながらデザインすることが求められます)
教授やTAからのフィードバックだけではなく、授業中にクラスメートから”Design Critique”をもらい(逆に私もクラスメートのIDカードに対して”Design Critique”を行いました)、そのコメントを踏まえて再度デザインを見直す、という形で進める課題でした。
Experience Innovation
この授業では、Figmaを使ってモバイルアプリのプロトタイプを制作するという経験をしました。
私はこの修士を経てデザイナー側にキャリアのピボットを図りたいと思っているので、こういったアイディアを具現化する練習の場を切望していたのでとてもいい経験になりました。
改善したいユーザー体験を各自選択し、リサーチを行なってその体験を改善するためのソリューションを提案するという一連の流れを実践するプロジェクトでした。
このプロジェクトではダブルダイヤモンドでいうところのDevelopとDeliveryを経験できたことが財産になっているのでそこについてちょっとご紹介したいと思います。
Ideation
How might we…というステートメントを使うやり方と、Creative Metrixという割と面白いアイディアを生み出せる手法を使ってとにかくアイディアを生み出すという目的のセッションを行いました。
当たり前ですが、セッションに参加してくれた人からはユニークなアイディアがたくさん出て、それだけでもとても楽しかったです。
Prototyping
上記のIdeationで出たアイディアの中からいくつか絞り込み、実際にFigmaを使ってプロトタイプを作成しました。
後続で行うユーザテストも見据えて、シナリオに沿って動作するようなクリック可能なプロトタイプの作成に挑戦。ツールの使い方にも慣れてきて意外と楽しく乗り越えられました。
User Test
クラスメートに協力してもらい、ユーザーテストを敢行しました。
イラストではなく、実際に動くプロトタイプがあるとより細かく実用的なフィードバックがもらえるので改善案も議論しやすいことに気づき、改めてアイディアを具現化することの重要性を痛感しました。
まとめ
長くなってしまいましたが、私がこの秋学期で印象に残った&勉強になった授業やプロジェクトについてまとめてみました。振り返るとよく頑張ったなーと自分を褒めたくなります。(半分冗談ですが、半分本気です)
春学期はCapstoneというクライアントプロジェクトが目玉として走るので、また大変な4ヶ月を過ごすことになりそうですが、楽しみながらやっていきたいなーと思っています。
では!