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あの人


時間が流れ
埃が積り
いるはずのない人の姿を求め
部屋を
次々と開けていくけど
やはり
あの人の姿はなくて

寂しいような
ほっとしているような
白でも
黒でもなく
グレーな
曖昧な色が
私を包む

あの人は
カーテンに仕切られた
小さなスペースで
ベットに横たわっている

生きている限り
この部屋には戻ってこない

あとどのくらいの時間が残っているのか
誰もわからない



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