見出し画像

東京カテドラルで「モンセラートの朱い本・聖母マリアの頌歌集」鑑賞

東京カテドラル聖マリア大聖堂を会場に行われた、濱田芳通&アントネッロ結成30周年記念公演「モンセラートの朱い本・聖母マリアの頌歌集」に行ってきました。
宗教曲と聞いて思い浮かべる荘厳なイメージとは違う、民謡などに近しい素朴な旋律やメロディが、逆に心に沁みました。
天上の音楽ではなく、大地と共に生きる者の音楽。
土と風と、雨の匂い。
そんなイメージ。
歌はもちろん、古楽器の音色も、どこか懐かしく郷愁を感じさせられました。
楽器も古くなればなるほど、発祥地や民族の違いが少なくなっていくのかな。
笛の音色は尺八を思い起こさせましたし、弦楽器は琵琶や琴の音を彷彿させられます。
いやぁ、癒された!
このところ仕事関係のストレスで疲弊していた心身には、良いリフレッシュになりました。

公演時間より前に会場に着くよう出かけ、大聖堂の中をゆっくり見学できたのも良かったです。
カトリックの教会と言えば装飾が派手なイメージがありますが、コンクリート打放しの壁と木材、大理石のみで実にシンプル。結婚式を挙げたプロテスタントの教会以上に、装飾らしい装飾がない。
ステンドグラスもなく、大理石を薄くスライスしたものが、明かり採りとしてガラス代わりに使われています。
この、大理石を透かしてくるほのかな明かるさが、なんとも落ち着くのです。
絵葉書を見て知りましたが、正面の大きな十字架の背後にもこの素材が使われていて、朝日が差し込み十字架が黒く浮かび上がる様子に息を呑みました。
いつの日にか、早朝ミサにお邪魔して、実際にこの目で見てみたいものです。
ピエタ像のレプリカ、屋外のルルドの泉の実物大再現風景も見応えありました。
また機会を作って、訪れてみたいと思います。