患者は病院を選べないという事実に、改めて気づかされた話。
「あの病院には、○○科で有名な先生がいる」
「あの病院は、最新の医療技術を取り入れている」
医療業界で働いていると、そんなことが少しずつわかってきます。
もし、自分の家族や友人に何かあった時。
正しい、有益な情報を提供することで、少しは役に立てるかもしれない。そんな風に思ったりしていました。
実際これまでに、困っている友人に、仲良くしてくださっている医師を紹介したことも何度かあります。
少し前の話。
長男の水泳に家族全員で出かけて帰宅すると、次男が40℃を超える高熱を発症。
数分後に痙攣し始め、目の焦点が若干合わなくなり、意識反応が薄くなりました。その後、鼻から嘔吐し、窒息の危険もあったため救急車で搬送。
いわゆる「熱性けいれん」でした。
まもなく救急車が来て、搬送先を探す。近隣で小児科に強い病院をいくつか知っていたので、そこに運んでもらえないかと話すが、全滅。重症の患者さんが多くいらっしゃり、今搬送しても、2時間待ちになると。
何とか、隣の市の病院に運んでいただきました(お世話になった先生、看護師の皆さま、有難うございました)。
熱性けいれんが起きた時。
意識もうろうとしながらも苦しそうにする次男に、何もしてあげることができない。医療従事者ではない、自分の無力感を痛烈に感じました。
それと同時に「いざ患者になると、病院を選ぶことはできないんだ」という事実を突きつけられた気がしました。
どれだけ良い病院を知っていても、必ずしもそこで治療を受けられるとは限らない。場所にも、タイミングにもよります。そればっかりは、「運」になってしまう。
名優は、主力事業の1つとして、医療機関の中央材料室向けの製品を提供しています。中央材料室とは、手術などで使った医療機器を、安全に再使用できるように洗浄・滅菌(再生処理)する部署。
中央材料室で再生処理する器材は、手術などで使用されるため、患者の安全に大きな影響を与えます。
しかし残念なことに、医療機関によって再生処理の質にばらつきがあるのも事実。器材が適切に再生処理できているとは、とても言えないような施設もあります。
患者は病院を選ぶことはできない。
だからこそ、私たちは、すべての医療機関が安全な再生処理を実施している世界をお客様と実現しなければならない。
そう、改めて思った出来事でした。
優一
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