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まだ名前のない活動 2024年下半期のリフレクション
この記事は、「YUMEMI Design Advent Calendar 2024」の15日目の記事です🎅
こんにちは、小林めいかです。
最近、寒さが本格化してきましたね。
今日は、2024年下半期の振り返りを兼ねて、最近の自分の動きを言葉にし、なんらかの意味づけができないか試してみたいと思います。思考の整理のために書いているので、まとまりがなくてもお付き合いください。
2024年下半期の活動
この半年間、案件稼働以外では主に以下のような動きをしてきました。
6月:中途入社の方のバディ①
9月:UIデザインインターンの設計・実施
10月:デザインシップでの登壇
11月:はこだて未来大学サービスマネジメント特論での授業
11-12月:弊社ゆめみのリソースマネジメントに関する調査
12月:デザインギルド研修の計画・実施
12月-現在:新しいチームを立ち上げるノリの実行/中途入社の方のバディ②
正直なところ、夏以降は本来の?従来の?私らしいペースで動けていない感覚がありました。途中かなり疲弊したタイミングがあったのですが、主な原因は案件稼働とのバランスを取るのが難しかったことだと思います。
ただ、できるだけ実務で取り組む内容から自分が面白がれる芽を取り出したいと考えていたので、研究テーマを掘り出すためにも、やってくる事象にできるだけ丁寧(なつもりで)に応答しようと努力した、みたいな感じです。
視点の変化:外から内へ
最近、自分の視点が「組織の外」から「内」にシフトしていることを感じます。1年目は「顧客」「他社」「社会課題」といった外部の環境を対象化し、私はそれらに対してどんなことができるのか、その中で自分がどう評価されるかを意識していたような感覚です。今は「プロジェクトメンバー」「デザインギルドの仲間」「隣の部署の仲間」「新しい仲間・そうなるかもしれない人たち」といった、より近い関係性に興味が向いています。それら全体の一部に私も含まれていて、その中での自分の行動がどんな影響をもたらすか、というようなことです。
11月に、はこだて未来大学での講義を行うための資料を作成しながら、弊社ゆめみが、デザインギルドに閉じず「全員デザイナー的スタンスで振る舞う組織」に変化していくことは自然なことかもしれない、などということを考えていました。
個人的には、エンジニアが当たり前にUXリサーチをする組織は面白いのではと思っています。ちょうど今、エンジニアの同僚と弊社ゆめみのリソースマネジメントに関する調査をしていたり、新しいチームを作ろうという動きをしています。ゆめみのエンジニアの方と話す中で、実験に対する受容性がとてもあるなと感じてわくわくしているので、2025年は何かをする際の選択肢の一部に、"彼らと一緒にやる"というカードを積極的に脳内に並べるようにしようと思っています。
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興味:"自分ごと"という言葉
最近考えているのは、「自分ごと化して仕事をする」という言葉の曖昧さです。案件稼働も社内活動も取り組むからこそ、特にそれが気になってきました。会社という組織内では「自分ごと化=前のめりな姿勢」といったように解釈される雰囲気があるように感じます。しかし、この捉え方は不十分で、もっともっとその事象を正確に言語化できないか、という気持ちがあります。
で、先日、先輩に勧められた渡辺保史さんの著書『Designing Ours – 自分たち事のデザイン』を読んだのですが、とても興味深かったです。
「自分たち事」がうまれる条件(未完)
くわしくは次章に譲るが、この本でぼくが多種多様に扱う「自分たち事」とは、およそ次のような条件で成立することがらだと考えている。まだ十分に整理できているわけではないものの、とりあえずの「叩き台」として念頭に置いていただきながら、ページをめくっていただけたら幸いである。
筆者は叩き台として11の条件を用意してくれているのですが、私は特に以下のポイントが気になりました。
2, 自分のプライベートで完結していない
たとえ、それが自分のプライベートであっても、独力で経験、解決、達成できることを、「取えて」(もしくは必要に迫られて)、何らかのかたちで他者の関与によって「拡張」することで、(自分たち事)になっていく
なおかつ、ある特定の人の私利私欲の追求ではないこと
3,自分自身から生まれたものもあれば、他者からもたらされたものもある
簡単に、「自/他」を分離できない出来事である
他人事から<自分たち事>へ、あるいは自分事から<自分たち事>へ
6,関わる人それぞれに、持ち寄る「資源」と持ち帰る「成果」は様々
できることを、できる範囲で学び、遊び、働き・・・・・等々、異なる行為のモードが混在
従来は峻別されてきた行為のモードを、意図的に(あるいは、なし崩し的に)融合させていく
8,「道具」の使い方に自覚的(意識的)である
方法、手順、技術を「目覚めて」使えるようになること
あるジャンルや領域に特有の道具だけでなく、異なる領域からの/への応用・転用、カスタマイズも
10,恒常的でなくてもよいが、必要に応じて即座につながること
コミュニケーションとコラボレーションのための道具と環境にアクセスしやすい
馴れ合い的な(ダラダラした)やり取りではなく、目的・内容・文脈を把握しながら
12,出来事の文脈が「ログ」としてアーカイブされる
途中から合流、参加してきた人でも経緯を把握できる
そこで得られた知見が、事後的な発見やアイデアにつながり、他での「自分たち事」へのヒントにもなりうる
新チーム立ち上げの動きの中でのメンバーとのやり取りを思い出してみて、かなりこの条件(叩き台)に当てはまる事象があるなと思いひとりで面白がっていました。
興味:主語が"私たち"になるタイミングとその単位
12月にはデザインギルド研修を実施しました。ワークでは、メンバーの興味関心やりたいことを聞きたいという目的で、制約がない中でどんな未来を望むか?というようなフレームを使ってWSを行いました。個人的にはNextとして、"その未来の実現可能性をなんとなく信じられる状態"を醸成できたらどんなに嬉しいことかと思います。この状態は"自分と組織に自信がある・美意識を持てている"みたいな状態とも言えるかと思います。
運営をしていた身としては当日の皆さんの「ワークに積極的に巻き込まれるつもりです」という姿勢が嬉しかった。また、参加してくれたメンバーの感想を見ていると、とても程よい濃度で「"私たち"」という感覚があるのかなと勝手に感じたりしました。
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最近リソマネ調査をしている中で感じていたことなのですが、"個人がとある組織の一部として、その組織の動きに巻き込まれることがなんとなく嫌じゃない(しかもちょっと前向きなニュアンスで)"という状態に変化するのはとても簡単なことじゃないと感じており、色々とリサーチしてみたいなと感じています。
探索:新しいチーム
最高な同僚が面白いことに巻き込んでくれだので、新しいチームを立ち上げます。この動きには、自分でも驚くほどコミットしたい気持ちがあります。
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1番の理由は、チームが私に関心を寄せている役割と、私がチームに対してコミットできる役割に重なりを見出せているから。そして、その役割は私だけにしかできない仕事ではなく、他のチームメンバーとも少し重なっているから飛び込むのが全然怖くない。かつ、このチームが価値を発揮できる状態になった時には、冒頭で書いたように全員がデザイナー的であると思うし、ゆめみという会社とソフトウェア開発という領域自体に寄与できる可能性があると思っているからです。
あと、過去の私の経験としてデザイナーと共に仕事をしていると、「タスクマネジメント・スケジューリング・叩き台を作る・リスクを減らすために色々全部やる」的な役割を担うことが多くなりがちだったんですが、この新しいチームでは私が「漂う存在」としていられる謎の心地よさを感じています。
おわりに
書きながら思いましたが、領域は様々なものの今の私は組織と個人の「中動態」に興味があるんだと思います。
社内活動に関しては色々と手を出してしまったなという気もしていたのですが、少なくとも組織にとってメリットがあり、私にとって新たな信頼関係の獲得があり、優しさだけで消耗した活動は1つもなかったように思います。
2025年は私だからこそやって良かったと自信を持って言えるお仕事を作りたいなと思います。
今やっていることは数年後の私の研究テーマにきっと絡んでくるでしょう。なので、名前がつくと思います。