「meiji THE Chocolate」、「THE」に込められた深い意味──meiji THE Chocolateの香味の秘密 #3
「もっとおいしいチョコレートを極めたい」──そんな思いで明治社員がカカオの産地を訪れ、2006年にスタートした「メイジ・カカオ・サポート」。カカオ豆の品質向上のためのカカオ農家との取り組みだけでなく、活動国のカカオ産地エリアで必要とされていた井戸や医療品、学校備品など、カカオ農家の暮らしを支えるものも寄贈してきました。そんな取り組みが、やがて「THE」という冠をつけた「meiji THE Chocolate」へとつながっていきます。
現地で良質のカカオ豆が作れるように
明治では、1926年にミルクチョコレートを日本の世に送り出して以来、ひたすらおいしいチョコレート作りを目指し、さまざまな研究を重ね、商品を開発してきました。ある年、一人の社員が上司にこんな提案書を提出します。「本気でおいしいチョコレートを作るには、豆から作るべきだ、カカオの生産にも積極的に関わるべきだ」。その訴えが社を動かし、2006年に南米の3カ国の農家への訪問が実現しました。そこでわかったのは、おいしいチョコレートを作るためには、まずはカカオについての理解、カカオ農家との取り組みが必要だということ。そこからメイジ・カカオ・サポートの取り組みが始まりました。
社員たちは数カ月単位の長期滞在を繰り返しながら、地道に現地の生産状況や困りごとに対するニーズを把握し、カカオ豆の生産技術のほか、それぞれの土地の人々が抱える生活課題の解決に取り組むことで、カカオ豆の品質向上に取り組んできました。数年がかりでようやく安定的に収穫できるようになった品質の良いカカオは、2014年に誕生した初代のmeiji THE Chocolateの原材料になっていきました。
現地のカカオ農園でもらった、小さな「ありがとう」
自分たちが使いたい理想の豆を求めて、メイジ・カカオ・サポートの先々で、技術指導からあらゆる困りごとの解決まで、さまざまなことを行ってきた明治ですが、それはカカオ農家と明治双方のメリットが相まって、カカオ豆を通じた循環を作ることを意味していました。
カカオ農家は、品質の良い豆を作ることで、安い値段で買い叩かれることなく、適正な価格で取引ができ、安定した生活につながる。
明治は、品質の良い豆を安定的に仕入れることができ、おいしいチョコレート作りに邁進できる。
その結果、お客さまにはおいしい、そして質の良いチョコレートの提供ができ、いつでもそれを楽しんでいただくことができる。
そんなカカオを中心とした循環が、しっかりと根付き始めていることを感じさせる出来事がありました。
カカオ産地のドミニカ共和国に滞在していた明治社員のもとに、ある日、小さな子どもがわざわざ駆け寄ってきて一言、「ありがとう」と告げたのです。
小さな子どもには、社会や経済の仕組みはわかりません。でも、日々の暮らしが良くなっていること、周囲の大人が笑顔になっていること、楽しく学校に通えることが、自分にとって良いことだ、ということはわかります。そんな変化を小さな体でしっかりと感じとっているからこそ、あふれ出てきた笑顔の「ありがとう」。それはすなわち、自分たちの取り組みがこの地に根を下ろし、笑顔の循環が回り始めた証ではないか──。
このささやかな出来事は、メイジ・カカオ・サポートに取り組む明治社員にとって、大きな喜びと自信につながりました。
「明治サステナブルカカオ豆」は農家の暮らしを支え、笑顔の輪を広げる
メイジ・カカオ・サポートの実施地域で生産されたカカオ豆を、明治では「明治サステナブルカカオ豆」と呼んでいます。そのカカオ豆の調達比率を、2023年度には65%、2026年度までには100%にすることを宣言しています。
カカオ農家が品質の良いカカオ豆を安定して生産できるようになり、明治サステナブルカカオ豆100%で作った明治のおいしく、かつ循環の上に成り立つチョコレートがお客さまの手に届く──という経済面の好循環に加え、明治が目指しているのは、笑顔の循環です。
カカオ農家が笑顔に。おいしいチョコレートを食べた人も笑顔に。チョコレートを作る人も、届ける人も笑顔に。みんなが笑顔になるチョコレート作りこそ、明治が目指している「カカオに関わるすべての人を笑顔にする」チョコレート作りなのです。
これぞ明治が「THE」と冠を付けるチョコレート
商品名に「THE」の言葉を冠し、「これぞ、明治のチョコレートです」とうたうmeiji THE Chocolate。その開発の道のりには、「おいしいチョコレートを作りたい!」という明治社員の熱意から始まった、カカオ農家と歩んできた物語がありました。
meiji THE Chocolateの「THE」は、ただおいしさだけを指しているわけではありません。その生産過程は、SDGs世界を変えるための17の目標のうち「8 働きがいも経済成長も」「12 つくる責任 使う責任」「15 緑の豊かさも守ろう」「17 パートナーシップで目標を達成しよう」を叶えるものであり、原材料のカカオ豆を作る農家の人から、製品を作る人、届ける人、食べる人までを、笑顔でつなぐものでもあります。メイジ・カカオ・サポートで何年もかけて積み重ねてきた一つひとつの取り組みが、ゆるぎない笑顔のサプライチェーンを築き上げ、どの過程を切り取っても、すべてが胸を張って誇れる究極のチョコレート。それが「THE」に込められた深い意味なのです。
次回は、メイジ・カカオ・サポートの活動国の一つであるメキシコで、世界的にも希少なスペシャルな品種・ホワイトカカオの栽培に取り組むお話をお届けします。
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