学生生活を料理に例えてみた。
こんにちは、hanaです。
自分の学歴を他人に紹介するときに、「私は大学院の修士課程まで出ました!」というと、大体の人には「どうして博士にいかなかったの?」と聞かれます。
それに慣れっこになってきました。
ただ、こうして、学生生活が終わるときに「私は何を勉強してきたのだろう?」と考えたときに、自分の中では明確に思い描けていても、他者からしたら教育の過程なんてまだまだ分かりづらいようにも思います。
実際、自分はこの18年間でどのような作品ができあがったのか、料理の例えを使って考えていきたいと思います。
16年間でカレーライスを作る。
一番わかりやすいのは、カレーライス。
ここでは、義務教育まで、でなく、大学4年間までを一つのセットとして考えることとします。つまり、普通のカレーは16年でできます。
小学校は、野菜や肉を集める段階です。食べ物には、どのような野菜が使えるのか。必要な材料は何か。ということを他者に教えてもらうことで、学びます。
ときには、を作る人の横で味見をさせてもらったり、作り方を見学することもあるでしょう。
中学校は、料理の仕方を教えてもらう段階です。
包丁や鍋といった器具を用い、カレーではなくとも、野菜を調理する、という方法について理解することができます。
これによって、少なくとも私達は調理ができるようになり、卒業していくこととなります。
義務教育を卒業した私達が進学する高校では、その料理の味付けの方法について学びます。
塩や砂糖の違い、あるいはみりん、ほんだし、鰹と昆布…など幅広い調味料の使い方を学ぶことで、これまでの調理から「味」が生まれるようになります。そうすると、人々は、もっと美味しい何かが作れるようになるのではないか、と考えるようになります。
そこでカレーライスを選択し、それぞれのカレーライスを作りに大学受験、をしていくこととなります。
さて大学では何をするのか。
大学では、いよいよカレーを作ります。カレーにもインド・タイ・日本など様々なスタイルのカレーがあります。世界にはたくさんの情報が溢れています。この美味しいカレーの中から自分の好みを見つけ出し、これらを見極め、自分のカレーを見つけ出すこととなります。
大学では、ルーも自分で作り出すこととなるでしょう。あるいは既存のレシピをしっかりと読み込めばきちんと味付けもできる、しっかりとしたカレーライスのもとが完成します。
こうして、晴れて人々は自分なりのカレーライスを作り出すのです。
あれ?なんだかおかしいぞ?
皆さん、胸に手を当てて考えてみてください。
カレーライスは、自分の中でできていたでしょうか?
何か、一貫して美味しいものが作れたでしょうか?
社会人になって、このカレーライスを人にもてなせていますか?
人は時として、寄り道も必要です。それは事実です。
しかし、大学を永遠の夏休みのようにして過ごしてしまい、経験を色々したけれども学び取ったものがない人は本当にたくさん見かけます。
正直な気持ちを書くとするならば、4月から社会人となる私自身も、これから学んできたことを十分に活かすことができるか不安です。
それは、学んできたことを自分がアウトプットできないからということももちろん一つの要因ですが、「政治学なんて。大学院まで出て、社会で何に使うの?政界にでも進出するの?」という声は止まらないこともあり、心のなかで少し後味の悪さがあることも大きいでしょう。
そのロジックだったら、経営学を学んだ学生のみが勝ち組のような世界であり、世界はものすごくつまらないのではないかと思います。
ただ、この記事を使って経営学と学問について触れることに紙面を割きたくはないので、読書についての記事を載せておくとともに、またこれについては後ほどお話することをお約束しておこうと思います。
残りの2年間は何に使うの?
さて、先程私は自分の学生生活を18年と書きましたが、一般的な大学までの学生生活は16年です。
私はこの二年間、カレーライスのためにどんな活動を行ってきたのでしょうか?
単純に記すとするならば、カレーライスの新しい作り方のエッセンスのひとかけらを生み出そうとしました。大学生活で自分なりのカレーライスを作ることには成功していますが、それはあくまでも先人たちのレシピに従ったまでです。人によっては日本式のカレーライスを日本語のレシピを見て飲み作ったでしょうし、あるいは、いろんな味を試してみて好きなものを選んだことでしょう。
大学院、特に修士課程は「1ミリでもいいから新しいことを見つけ出す」事ができれば万々歳です。少しでも誰もが触れてこなかったことを何かしらの部分を用いて説明しなければなりません。
インドのカレーのレシピを日本語に翻訳されてなかったのかもしれないし、肉じゃがの味付けを応用してカレーライスを作ってみたのかもしれない。あるいは、ルーの分量を他の人より多くしたのかもしれないし、多くの人が想像し得なかった調味料を投入したのかもしれない。あるいは比較研究、なんてこともできます。
これができているのか、ということで院生は悩みます。あるいは、師匠のシェフたちに、「もちろんこのレシピは知っているよね?」と詰められることになります。自分たちで自分の学びたいシェフから秘伝の書やその料理法を学び取るだけではないのです。シェフたちからすれば当たり前のものすら、自分のものにしていない見習い(院生たち)はたくさんいるので、この見習い同士で、まずは高め合うこととなります。それが読書会です。
あるいは、多くのシェフが集う練習会(学会)で自分のレシピを公開することになります。
そんなバトルロワイヤルを重ね、最後に料理法やテクニックをまとめたことで、わたしたちは「マスター」の称号を得ることができるのです。
私の料理。
3月31日に、私の長きに渡った学生生活は終わりを告げます。
私の卒業式は、悲しいことに、コロナの影響もあり、実施されませんでした。
しかし、学問には終わりもなければ、この学舎に戻ってきてはいけないわけではありません。
これまで身に着けた教養を世界に、人々に、届けていくためにも、微力ながらもnoteやTwitterなどのツールを用いながら、発信していきたい、と強く願っています。
人によっては、私の料理は美味しくないのかもしれません。
好き嫌いもあることでしょう。
それでも、私が18年かけて作り上げたカレーライスなので、小さくても、世界で初めてが散りばめられたものあるので、作り上げたことに後悔はしていません。
いつか、多くの人に味見していただければ、と願っています。
よろしければサポートをお願いします! より良い作品をお届け出来るよう精進します!!