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「不可能という言葉は、愚か者の辞書にしか存在しない。」⇚そんなことないよ
世界一有名な征服者、ナポレオン・ボナパルトの名言です。
一般的には「我が辞書に不可能の文字は無い」という意訳でよく知られていますね。
ナポレオン自身が稀代の英雄であるからこそ説得力のある名言だと思います。
そして、何かを諦めてしまうのは愚か者のことであり、諦めさえしなければどんなことでも成し遂げられると思わせてくれるモチベーションを高める言葉でもありますね。
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いや、実際問題不可能なことは結構あるよ?
現実感の欠如
例えば毎日1時間しか寝ないで仕事も勉強も頑張るという目標を立てたとします。
でもほとんどの人間はそんなハードスケジュールに耐えられるわけは無いので結果的に挫折します。
ちなみにナポレオンは1日3時間しか寝ないと言われてましたが、お風呂は長時間入っていたのでそこで寝てた節はあります。
本当のショートスリーパーはごくわずかで大半の3時間睡眠の人はただの睡眠不足か睡眠障害ですから。
人間は誰しも時間的、精神的、体力的な制約はありますし、遺伝子も(現状は)変えられません。
実際の所、自分には何ができるのか、どこまでできるのかを冷静に見極める必要はあるんじゃないでしょうか。
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柔軟性の欠如
他にもこの名言には問題点があります。
「不可能」という可能性を排除することで、他の選択肢を排除してしまう可能性があります。
例えばもし日本代表のバスケットボール選手が明らかに自分より高身長の外国人選手に「とにかく相手より高くジャンプして高くボールを投げれば勝てる!」という戦術を磨いたとします。
でも、やっぱり外国人選手は高いのでたいていは簡単にブロックされます。
だから高さという土俵で勝負するのではなくもっと速くパスを回して、低く素早くシュートを狙うという別の戦術を検討することが必要です。
今回のオリンピックでは残念ながら勝利はかないませんでしたが、それでも170センチ強しかないような河村選手のような選手が活躍できたんですよね。
他の選択肢を排除することなく柔軟性を担保することは大事です。
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周囲への非建設的な圧力
さらに、この言葉はリーダーが言うと周囲に過度のプレッシャーを与えて、雰囲気を悪くしたり、過労者を招いたりします。
数々の困難を乗り越えてきた有能なリーダーや経営者が自分を基準にして似たような考え方を持つのはよくあることだと思います。
でもたいていの人はそんな能力や力は持っていないので無理やりそれを基準に頑張ると体調を崩す確率大です。
ブラック企業問題は昔に比べるとだいぶ下火になったと思いますけど、この辺は個人の問題もあるので中々無くならないですよねぇ。
可能な事と不可能な事の見極める力は付けておきたいものです。
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名言の実態
そんなこと言ってない
ちなみに言葉ですが、元々は「不可能という言葉は愚か者が妄想を、臆病者が言い訳を並べるときにのみ使う」というさらに長い表現だったようです。
それが色々意訳された結果、今の形になったんですね。
さらに、この言葉は具体的にどんな場面で使われたのかは明確にはされていません。
そして、名言にはありがちですがそもそもナポレオンが本当にこんなことを言ったのかも定かではないという。
多分、周りの人が「あいつならこんなことを言いそうだ」みたいに思って広めた可能性が高そうです。
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ナポレオンの人物像
ちなみに、ナポレオンの人物像をまとめておくとナポレオン・ボナパルトはフランスの指導者で、勇気と決断力を持ち、若い頃から戦場での成功を収めました。
彼は厳しい規律を重んじ、兵士たちを家族のように大切にしながらも、厳しい訓練を課しました。
また、学ぶことへの情熱が強く、特に歴史や戦術に詳しかったため、優れた指導者となりました。
身長が低くても自信を持って行動し、部下を信頼して大きな責任を与えることで、彼の軍隊は強力なものとなりました。
ナポレオンのこれらの特徴が、この名言の逸話を生み出したのかもしれないですね。
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同じタイプの人物はどの程度いるか
ちなみに、余談ですがナポレオンは稀有な人物であることには間違いないのですが、同じようなタイプの人はどの程度いるでしょうか。
昨今流行りのMBTIではナポレオンのタイプはENTJとされています。
ENTJの特徴としては生まれつきのリーダータイプであり、常にやりがいのあるチャレンジを求め、一つの目標に向かって多くの人を巻き込みながら突き進むのが得意です。
同じようなタイプとしては言わずと知れたIT界の巨人であるスティーブ・ジョブズ、イギリス初の女性の首相であり鉄の女と言われたマーガレット・サッチャーなどが同じタイプと言われてますね。
面子が濃すぎる・・・・・(笑)
このタイプは全人口の3%程度と言われているので、やっぱり稀有な存在ですね。
というかこんな濃い人がうじゃうじゃいると世界がカオスになりそうです。
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全体考察
そもそもそれをやろうと思うか?
何かを不可能だと思うこと、無理だと思うことは誰しもあるでしょう。
全ての場合においてそうではないと思いますが、そもそも何かを不可能だと思う、無理だと思う時にはそれをそもそもやりたくないという場合もあると思います。
例えば私の場合は毎日の長時間残業で休みも取らずに働くハードワークは無理だと思います。
ただ、もしかしたら自分の体力の向上のための適切な方法を実践し、ものすごく体力をつければできるかもしれません。
でも、それでも無理だと思うのはそもそもそんなハードワークをできるようになりたいと思わないからです。
もし、これが仕事の時間を半分にして、収入を今と同じくらいに維持するということになれば難しいとは思いますが、不可能だとは思いません。
なぜなら、そうなれるならなりたいから。人間現金なものですから(笑)
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適切な「やればできる」を目指す
もちろん何でもかんでも無理だと思うのが健全だとは思いません。
所謂成長マインドセットと言われるように「やればできる」と思う信念がある人の方がそうでない人よりもパフォーマンスが高いことが知られています。
でもそもそも「何をやろうとするのか、その方法は適切なのか」は常に頭に置いておいた方が良いでしょう。
例えば、お金持ちになるために宝くじを買いまくったり、ギャンブルで大穴をあてて億万長者を目指すのは可能性は限りなく低いですが0ではありません。
でもそもそもそれをするのが自分の人生にとってプラスになるのかは考えた方が良いでしょう。
どれだけ宝くじやギャンブルを頑張ったところで億万長者になれる可能性は雷に打たれる確率よりも低いです。
さらにその確率を引き当てて億万長者になったとしても、そうした人の大半はその後破産したり、人間関係の悪化によってより不幸になっています。
それを考えれば副業をするなり、本業を頑張るなりした方がよほど現実的ですよね。
「やればできる」+「その方法が適切か」という両方を頭に入れておくと良いでしょう。
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不可能だと思う人VSできると思う人
ちなみに物事を不可能だと思うネガティブな人とできるとポジティブだと思う人、比べるとできると思う人の方が魅力的に見えます。
実際、できると思うポジティブな人の方が積極的に行動でき、様々なことに挑戦して色々な経験を積むことでより成長していけます。
でも、ネガティブな人は物事に慎重に取り組む分だけミスが少なくなり、正確に物事を成し遂げる可能性は高いです。
どちらにもそれが有利に働く場面とそうでない場面があるのでどちらが優れていると決めつけない方が良いですね。
自分がどちらのタイプであろうと、それを活かせる場面を考えるのが建設的だと思います。
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個人的まとめ
それを後悔しないかどうか
私自身は割とその気になればたいていのことはできるのだと思っています。
それでも今からどれだけ練習しても陸上でオリンピックで日本代表になることはできないと思いますし、アメリカ大統領になれるとも思いませんし、特になりたいとも思わないです。
大事なことは「達成できるかどうか」に関わらず、それをやりたいと思えるかどうかなんじゃないかと思います。
スポーツで活躍するにしろ、ビジネスで成功するにしろ、何をするにも努力が必要です。
そして、自分に合った適切な努力を積み重ねていけば多くの場合はそれを達成できるでしょう。
でも、どのくらい時間をかければそれができるのか、1年でできるのか5年でできるのか、20年でできるのか、その努力をいつまで続ければ良いのかは分かりません。
結果が出るためには自分の個人の努力以外の時代や環境などの状況も大きくかかわってきます。
そんな、いつ結果が出るのかが分からない中では例えそのために何十年かかっても、その努力に楽しみややりがいを見つけられ、結果が最後まで出なかったとしても後悔しないかが鍵になると思います。
楽しみややりがいを感じられる努力は単純にその継続を助けてくれることも期待できますが、その努力の過程も意義を感じ、後悔しない時間にしてくれます。
この、後戻りができない、だからこそ頑張ろうと思える人生を最後に良い人生だったと思えるようにしたいです。
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