2022/01/10; BUMP OF CHICKENが好きだ
BUMP OF CHICKENが好きだ。特に歌詞が好きだ。静かに心に寄り添ってくれる、まっすぐで優しい歌詞は、何度僕を救ってくれただろう。こんな歌詞を書ける優しい人間になりたいと、今も昔も憧れている。
BUMP OF CHICKENの映像作品『BUMP OF CHICKEN 結成20周年記念Special Live「20」』には、”BUMP OF CHICKENのテーマ”という楽曲が収録されている。これは彼らが10代の時に制作した、デビュー後のどのアルバムにも収録されていない幻の楽曲である。
“BUMP OF CHICKENのテーマ”のサビでは、文字通りバンドのテーマ、存在意義を軽やかに歌う。
あぁ 僕らは君をベッドから引きずり出して
手をつなぐため魔法をかけた へなちょこの4人組
あぁ 僕らは寂しい雨の日に君の横で
うるさい音を優しく鳴らす へなちょこの4人組
BUMP OF CHICKENは結成当初から、「君」つまりリスナーである僕たちに届く歌を歌っているのだ。不安に押しつぶされそうなときも、冷たい雨で気分が晴れないときも、音楽は側にいるように、と彼らは音を鳴らすのだ。
そしてそれは結成から20年以上経った今でも変わらない。結成23年目のアルバム『aurora arc』に収録された ”流れ星の正体” では、次のように歌う。
君が未来に零す涙が 地球に吸い込まれて消える前に
1人にせずに掬えるように 旅立った唄 間に合うように
命の数と同じ量の1秒 君はどこにいる 聴こえるかい
君の空まで全ての力で旅立った唄に気づいてほしい
太陽が忘れた路地裏に 心を殺した教室の窓に
逃げ込んだ毛布の内側に 全ての力で輝け 流れ星
流れ星に例えた唄が、路地裏や教室・毛布の内側にある「君の空」へ届くことを願う、ロマンチックな詩である。目を閉じると、流れ星の尾から降り注ぐ光の瞬きが鮮明に想像される。本当に綺麗だ、と思う。「ちゃんと届いたよ…」という僕の思いも綺麗な流れ星になっているだろうか。
20年以上の間、ブレることなく「音楽は側に」というテーマを貫き続ける。本当にすごい4人組である。BUMP OF CHICKENと同じ時代を生きている私は、幸せ者に違いない。
* * *
”流れ星の正体” の歌詞には、古くからのファンに向けられたメッセージがあるように思う。唄を通してメッセージを伝えてくれること、そしてそれを受け取ることには、何にも代え難い喜びがある。素直に、嬉しい。
これからも人生の起伏に応じて、BUMP OF CHICKENからのメッセージを何度も受け取ることになるだろう。そしてそれらは、全て宝物になると確信している。ずっと応援しています。
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