2020/09/13; 小説を読みました

昨日、「蜜蜂と遠雷」という本を読み終わりました。これ、まじで面白かったです。

最近は全然小説を読んでませんでした。久し振りに小説を読みたいと思って本屋をうろついていると、この本が目に入りました。そういえば1年ぐらい前に、この本オススメされたなぁと思い出し、買って読むことにしました。文庫本は上下あって、それぞれ500ページぐらいある大作なんですけど、面白すぎてすぐ読み切れました。

ピアノコンクールに臨む若者4人を主人公とした物語で、演奏のシーンは本当に音が聞こえてくるようでゾクゾクします。クラシックやピアノの知識がない僕でも、ラフマニノフの何番とか一切知らないのに、どこからともなく何かが聞こえてきたからすごいですよね。
あと伏線が回収されるところ、心地よかったです。「あぁ、そういうことかぁ!!」と声出ました。これこれ、小説読むってこういうことだよなぁ〜とうなってしまいました。

中でも1番印象に残った一節を紹介したいと思います。ネタバレが嫌な人は以下見ないでくださいね。

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『我々が誰かに聞いてほしかったこと。決して誰にも言えなかったこと。日々の生活のうちに押し殺してきたこと。漠然と感じていながらも、言葉にできなかったことーー彼女は粛々と、だが正確にそれらを語る。決して声高ではなく、巫女のように己の存在を消しつつも、誠実に語り続ける。』

主人公の1人の演奏にオーディエンスが感動し、オーディエンスは演奏を通じて自分と向き合うこととなります。音楽を聴くことで、自分でも知らなかった自分の一面を見たり、忘れていた何かを思い出したり...音楽は時に人間の感覚を増幅させるのでしょう。そんな体験をカタルシスと呼んで、人が芸術に求めていることなのかもね...。

大した感想じゃないですけど、そんなことを思いました。他にも思い出に残る箇所はいくつもあったのですが、この辺で書くのはやめておきます。

巻末の解説も非常に良かったです。出版社の編集者の方が解説を書いており、いわゆる製作の裏話を語られます。作中で語られた、音楽家が一瞬の本番のために途方もない時間を積み上げている、というのと同じように小説家もすごい労力をかけて作品を生み出してるんだと感じました。書き切った時、受賞した時、どんなにか嬉しかったことだろう。

本当に面白い本でした。ありがtぷございました。また次も小説読みたいと思います。

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