2021/06/13; 「映画 あたしンち」を見ました

最近同じような話題が続き申し訳ないのだが、今日は「映画 あたしンち」を見た話をさせてほしい。以下ネタバレあります。

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「映画 あたしンち」は2003年に公開された「あたしンち」初の長編映画 (95分) だ。いつもは10分足らずで日常の1コマを面白おかしく描くあたしンちだが、95分となると流石に1コマでは終わらない。笑いどころ・泣きどころが次々と展開され、イベント盛り沢山である。

あらすじを簡単に述べると、「雷が原因で心が入れ替わってしまった母とみかん。元に戻る方法を探しながら、母はみかんとして、みかんは母として何とかこれまで通りの日常を送る。入れ替わった状態のまま、みかんの修学旅行と母の同窓会が近づいてきて...?」というものだ。

心が入れ替わるという設定はよく見るものだが、ここで入れ替わるのは親子である。それも、華の女子高生みかんと、恥も外聞も知らないあの母だ。同級生でも、美男美女でもない。ここまで過激な入れ替わりがあっただろうか。

母の体になってしまったみかんの絶望は、想像に難くない。そりゃそうだ。あの母にかかれば、今までみかんが築いてきた友人関係が一瞬でぶっ壊れても不思議ではない。こんな悲しいことがあるか。「大丈夫大丈夫!」と抜かしながらみかんの格好で学校へ行き、友人の前で暴走する母。何とか被害を最小限にしようと健気な努力を続けるみかん。それを見る私の共感性羞恥は振り切って爆発し、悲しいやら悔しいやらよく分からない涙をだらだらと流していた。笑うシーンのはずなんだけどね...。

自分でも驚くくらいの涙を流して気づいたのだが、どうやら私は「あたしンち」のみかんやユズ (みかんの弟) にかつての自分を重ねていたらしい。みかんやユズに起こる出来事は、もはや自分に起こる出来事と同じだった。アニメや漫画のエピソードに共感することは多かったが、まさかここまでとは...。この感情を日本中の家族に与えているなんて、まったく恐るべき作品である。あたしンち。

この映画を楽しめるかどうかは、あたしンちという作品をどう楽しんでいるかによるところが大きい。私のように、あたしンちの登場人物が好きで、彼らが日常何を感じどんな行動を取るかに注目している人は、きっとこの映画を存分に楽しむことができるだろう。そして私と同じように謎の涙を流すはずだ。
安心してほしい!ちゃんと笑えるシーンもあるから!けど見るのツライところもあるかもね。

一方、あたしンち全体の雰囲気が好き、ほのぼのとした日常をゆる〜く見るのが好き、という方にはあまりお勧めできない。母とみかんの心が入れ替わるというのは明らかに非現実的だし、視聴者の感情に訴えかけるようなイベント・演出を見て「あたしンちに求めてるのはこれじゃないんだよなぁ...」と思ってしまうかもしれない。

私はこの映画を見て、よりあたしンちのことが好きになれた。結論、「映画 あたしンち」も最高〜ということだ。

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