2020/04/05; 漫画「H2」

こんばんは。最近読み終えた漫画を紹介させていただきたい。

漫画の名は「H2」あだち充の野球漫画だ。小学館の「サンデーうぇぶり」というアプリを使えば無料で読める。1日3話程度しか読めないので、読み終えるまでに何ヶ月もかかったが、飽きずに楽しく読めた。思えば春休みの生活を彩ってくれたのはこの作品であった。

私は小学生の頃に一度全て読んだのだが、やはり大人になってから読むとまったく違う印象を受ける。小学生の頃はヒロイン2人の顔の区別もついていなかったので、面白いとかではなく家にあったから読んだだけだった。しかし今読み返すと、この漫画が単なる野球漫画ではないことに気付かされた。

天才投手 国見比呂と、天才打者 橘英雄。普段は親友同士の2人が甲子園で対戦する。不器用な天才は、親友と野球でぶつかり合うことで自分と向き合う。そして2人のヒロイン 雨宮ひかりと古賀春華との繊細な恋愛模様に決着をつけ、折り合いをつけていく。

過度な天才が登場するスポーツ漫画はあまり好きではないのだが、この作品は登場人物に愛着が持て、最初から最後まで感情移入しながら読むことができた。
多くを語らずに恋愛の機微を描くスタイルが、読者に解釈の余地を残し、「今こんな気持ちだろうなぁ」とか「作者は何を書きたかったんだろう」といった想像をかき立てる。そういった文学的な要素がこの漫画の魅力である。
ただ書かれた時代が今とは違うので、少し違和感を覚える箇所もあるかもしれないことを注意しておく。

読むか読まないかは皆さんの自由だが、時間があれば1度読んでみてはどうだろうか。無料だし。