ポッドキャストは片耳で / 学んだこと、影響を受けたこと
前は両耳で使っていたイヤホンを、最近は片耳で使う。走行中の電車の中で起こった事件のニュースをまだ覚えている。空いている耳は周囲の音を拾うことに集中し、脳内のとりとめないノイズが止んで、感覚がシャープになる。イヤホンに繋がれてる耳は流れてくる音声に集中し、その場にいるみたいに相槌したりツッコミを入れたりする。
いつだったか毎日知らない道を歩く必要があって、警戒するため片耳のイヤホンを外した。そしたら聞くことに集中しやすくなった。N=1の個人の感想です。両耳で聴いていたころ、音に刺激されてとりとめもなく、それからそれへと想いが移ろっていた。それが止んだので、今でも片耳で使う事が多い。ときどき両耳で聴くと情報量が多くてうっとりする。
近くが見えにくくなってきたこともあって、毎日、歩きながら、電車に乗りながら、何かを聞いている。
「へえ! そんなに面白いジャンルがあるんだ!」ポッドキャストを聞くことが、本を読んだり、どこかへ出かけたりするきっかけになることもある。楽しそうに熱く語っているのを聞くと、つい感染してしまう。損得感情より楽しさに感染したい。
いま聞いているのは、この2つ。
・問わず語りの神田伯山
・ゆる言語学ラジオ
問わず語りの神田伯山
人気講談師、声がよい! 語りのメリハリが楽しい! 寄席の雰囲気が感じられる回あり、ラジオっぽいおたより回あり、独演会でスマホの着信音が鳴ったときの悔しさでお怒りが炸裂する回あり。笑い屋シゲフジさんの甲高い笑い声も、入るタイミング・入らないタイミングが絶妙で、どう判断しているんだろうって不思議でたまらない。
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講談社の講談師漫画「ひらばのひと」を読むようになった。
「ひらばのひと」で描かれたネタの音源を探して聞いたら、カッコよかった。は組小町とか。
現場のマナー違反が演者に与えるダメージ、最高のパフォーマンスをしようとしても着信音ひとつで、どうしようもなく回収不能にぶち壊しになる場合があるんだと知った。現場のナマモノ感。寄席芸人へのリスペクト。リスペクトって、「しなさい」と言われてできるもんじゃないんです。
オススメ回は「紙切り名人! 正楽師匠。」
ゆる言語学ラジオ
言語の不思議さ、面白さをゆるく楽しく語り合う番組。母語話者として使用していて「言葉の運用、なんとなくAのほうが自然?」と判っているのに、「なぜBではダメなの?」と問われれば言葉に詰まる。そんな言葉の不思議に出会わせてくれた番組。
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とりあえずオンライン版の辞書を引くようになった。知っている言葉でも辞書の語釈を読むと予想していたのと違う場合もある。
こども全般の舌足らずな発声が嫌いだったんだけど「ああ、あの音とこの音は近いから混ざるのも仕方がないんだなあ」と寛容になった。ポッドキャスト聞いてるだけで寛容さが育まれるって凄い。
オススメ回は「カタルシス英文法」「方言」「赤ちゃん」「コーパス」‥…あれ、書き出したら選べなくて愕然とする。今年のどこかのタイミングで最初から古い順に聞きはじめて#96まで来ました。現時点で#356まであるので、先は長いけど来年には追いつける予定。
楽しんでるだけで、いつの間にかこの身に染み込んでいくもの。私にとってポッドキャストはそういうものです。
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