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2023年4月「読んだ!」マンガまとめ

こんにちは。マンガライターのちゃんめいです。

新旧問わずに今月読んだマンガを全て紹介する本企画。元々マンガが大好きで毎月たくさんマンガを読んでいましたが、マンガライターとして活動し始めてから読む量が尋常じゃなく増えました。できることなら全作品しっかりとした漫画評を書きたい!けれど、現実的になかなか難しい。いやでも、せめてあらすじや一言感想メインだけでも!……という謎の使命感からこのnoteが誕生しました。

ちなみに、「Real Sound ブック」さんでは“今月発売された新刊”というしばりでおすすめのマンガを紹介しているので、とにかく新作が読みたい!という方はこちらもぜひ。

読み応えのある、または濃密な漫画評が読みたい方にとっては、こちらのnoteはかなり薄く感じるかもしれませんが、もし良ければ読んでいってくださいませ。この記事があなたにとって新たなマンガとの出会いになりますように。

▼ 過去の記録はこちら

植物病理学は明日の君を願う

歴史上、幾度となく人類を餓死に陥れてきた植物病。そんな病害の真相解明、克服に挑む植物病理学者の物語。 植物と細菌と人間。“ミクロな攻防戦”がこんなにもダイナミックで激しいとは。知力系ヒーローによる人類の存続と未来をかけたバトル漫画、最高です。

今日からCITY HUNTER(1〜12巻)

『シティーハンター』を愛してやまないアラフォーOLが、憧れの“シティハンターの世界”に転生してしまうお話。数ある転生系漫画の中でもこんなにも「羨ましい!」と思ったことはあっただろか……設定だけでも大優勝な本作ですが、本作の本当の魅力についてはmi-molletさんで詳しく書いたのでこちらをぜひ。

京都と猫と、まだ見ぬ色と

艶紅、小豆色、甕覗、支子色……日本の伝統色をテーマに京都に暮らす人々の物語を描いたオールカラーコミック。 なんて美しい漫画なんだろう。京都を観光名所じゃなくて、些細な日常、そして色から描く。描写の豊かさに魅了される。

明日、私は誰かのカノジョ(9〜13巻)

ドラマ『明日、私は誰かのカノジョ』シーズン2が5月2日より放送開始されると聞いて……!原作の「洗脳編」(9~10巻)「What a Wonderful World編」(11〜13巻)を改めて読み直した。「豚にデパコス」「被りは伝票で殺す」など明日カノ特有の心臓をえぐるようなパンチラインは控えめだけど、ゆっくりと締め殺されていくようなしんどさがあるなと。そんな2つの章の見どころをReal Soundブックさんで書いたのでこちらもぜひ。

となりの百怪見聞録

怪異に好かれる男と物好きな日本画家が織りなす怪奇譚。 作中に登場する怪異は少し切ないものから割とガチ怖なものまで……。でも、ヒトと怪異を分断するのではなく、ましてや戦うこともなく。ひとつの世界・存在として認知してフラットに描いている所が好き。Real Soundブックさんの連載「漫画ライター・ちゃんめい厳選! 4月のおすすめ新刊漫画」でも紹介している作品です。

シガテラ(全6巻)

まさか『シガテラ』が実写ドラマ化される日が来るとは……。ドラマ化を記念してmi-molletさんであらすじや魅力などを紹介させていただきました。世の中に絶対的な事や未来永劫続く約束なんてないのだと、本作を読むたびに思います。

ザシス

あの『ろくでなしBLUES』『ROOKIES』でお馴染み、森田まさのり先生が初のサスペンスホラーに挑むと聞いて、もう「読む」一択でした。 公募小説と酷似した惨劇が起きていくんだけど、神がかった写実的描写がなせる緊迫感というか、キャラ達の動揺が読み手にも伝染していく。没入感えっぐい。Real Sound ブックさんの連載「漫画ライター・ちゃんめい厳選! 4月のおすすめ新刊漫画」でも紹介している作品です。

針と羊の舟

“羊毛フェルト”がテーマのヒューマンコメディ。 針でちくちくと刺して固めていくことで完成する羊毛フェルト。一針一針刺すごとに一歩一歩自分の深淵に近づく、そして作品が完成する頃には“自分”を掴むような.…..羊毛フェルトと心理描写のリンクがとても素敵でした。

くさっても猫なので

あの時助けてもらった猫です……!から始まる元・猫&人間の日常系ギャグ漫画。そうだよね、猫だからわからんよねっという“猫だから”生まれる勘違いギャグというか、脱力感のある笑いがクセになる。さくっとゆるっと笑えるから、新生活でお疲れの時に投入したい系の漫画。

私のアリカ

人気急上昇中のアイドルグループ「りりかるトリック」を巡り、失踪したアリカの謎、彼女を追うもの、何かを隠しているメンバー、加熱するファン……それぞれが複雑に絡まり合う芸能界サスペンス。芸能界ならではの(芸能界いたことないから実際のところは知らないけども)輝かしい部分と闇が描かれており、サスペンス一辺倒で終わらない面白さがあった。

スペコン

結婚相談所でコーディネーターとして働き、人の恋愛や結婚を目の当たりにしすぎて逆に理想が高くなってしまった小雅井美柑と尾矢野七光。「絶対に年収1000万以上のイケメン」「絶対に20代の美女」という“ハイスペ”条件に妥協できず、36歳になるまで独り身を貫いていた2人が織りなすお仕事コメディ。恋愛、婚活あるあるを気持ちいいほどのディスでバッサバサ斬っていくところがもう最高!うっかりすると吹き出すので電車で読むのはおすすめしません。

#真相をお話しします

原作は「本屋大賞2023」にもノミネートされた話題の動画感覚ミステリ小説。1巻では3編の物語が収録されており、そのなかでも「惨者面談」が面白かった。ミステリって、キャラクターの表情が絵で説明されていると小説とはまた違った緊迫感があるんだなと……小説をコミカライズする意味というか、魅力を実感した作品だった。

おひとりさまホテル

『いつかティファニーで朝食を』の“朝食”が“ホテル”になった感じかな……と思いきや、全ッ然そんなことない。でも、実在のホテルが登場するから、ホテルマップとしても参考になる漫画という意味では、確かに『いつかティファニーで朝食を』と似ているけれど。ホテルステイの魅力、そして何より“おひとりさま”っていうところをしっかりと描かれていて、ヒューマンドラマとして心に響く漫画だった。あとマキヒロチ先生が描く、20〜30代のキャラクターの解像度が高いというか、服装、アクセサリー、使っているトランク、細やかな描写が本当にリアルで大好き。

君は放課後インソムニア(12巻)

早く先の物語が読みたいけど……いや、やっぱちょっと待って!このままで!時間を止めて!と。先が読みたいのに読みたくない、複雑な気持ちになる漫画No.1。毎巻、そして1ページ、1コマを祈るように読み進めたくなる。ずっと同じままではいられないかもしれないけれど、せめてこの関係性や互いを想う心だけは変わらないでいてほしい。

僕と魔女についての備忘録(1〜5巻)

小さい時にうっとりしながら読んだファンタジー系のお伽話……それを、“大人版”にしたような漫画。僕と魔女さんの愛おしくて、刹那的な日常をそっと覗き見させてもらっているような。読後は、輪っかみたいに繋がって巡る、奇跡的な運命に想いを馳せたくなる。

最果てのセレナード

天才ピアノ少女を巡るヒューマン・サスペンス。 ピアノで繋がる2人の少女、徐々に芽生える恋愛にも似た友情。大切な人を救いたいだけなのに、一緒に笑いたいだけなのに……そんな幾重もの“なのに”が戻れない闇へと誘う。例え赦されずとも、どうか救われて欲しい。Real Sound ブックさんの連載「漫画ライター・ちゃんめい厳選! 4月のおすすめ新刊漫画」でも紹介している作品です。

てつおとよしえ

あの『岡崎に捧ぐ』の山本さほ先生最新作『てつおとよしえ』。そんな最新作で主題として描かれるのは、山本さほ先生ご自身の父と母の物語。マイペースで機械オタクな父・てつおと、倹約家で心配性な母・よしえ。そんな2人の間に三人兄姉の末っ子として生まれた“私”の目線で、幼少期や思春期、そして今だから思う父と母の姿を描く。読んでいたら、私の中の何かが勝手に共鳴してもうボロッボロ泣いてしまった。こちらもReal Sound ブックさんの連載「漫画ライター・ちゃんめい厳選! 4月のおすすめ新刊漫画」でも紹介している作品です。

ミワさんなりすます(6巻)

個人的にタイトル伏線回収というか“なりすます”という言葉がすごく重く、響く巻だった。 家政婦になりすますミワ、演じるために別の誰かになりすます俳優たち。“なりすます”のたった5文字では収まらない激動のドラマと葛藤がある。面白かったーー!!!

レ・セルバン(1〜2巻)

喪失の王・セルバンの戦いを描くダークファンタジー。世界観と物語の密度の濃さ、肉体が放つ説得力というか、技ではなく背中で語る無骨なセルバン王に痺れる。 本日1・2巻同時発売。ぜひマンガワンで連載時と読み比べてほしい……絶対驚くので。Real Sound ブックさんの連載「漫画ライター・ちゃんめい厳選! 4月のおすすめ新刊漫画」でも紹介している作品です。

2023年4月雑記🌸

まずは毎回恒例の今月のお仕事報告から。

▼ 連載:あちらのお客さまからマンガです/第6回

「どうしたら学生時代の友人と昔のような関係は築ける?」というお悩みにピッタリな漫画を紹介しています。

お悩み応募はこちらから

▼ インタビュー:DMM TV様

朝日放送グループホールディングス コンテンツ開発局長・清水一幸さんと、DMM TVオリジナルコンテンツ制作責任者・久保田哲史さんにインタビューさせていただきました。

▼ インタビュー:「月刊少年マガジン」編集長・三村泰之氏様

編集長に至るまでのキャリアを振り返りつつ、漫画誌をめぐる状況、紙とWEBの現在地をどう捉えているのかなどお話を伺いました。

▼ インタビュー:『レ・セルバン』濱田浩輔先生×担当編集・千代田様

なんと、単行本化にあたり1~5話の実に100ページ以上を完全にゼロから描き直している本作。『レ・セルバン』の誕生から単行本化に至るまでの裏側、そして作品にかける思いについて話を伺いました。

その他執筆記事一覧はこちら

3〜4月に誠心誠意取り組んできた取材記事たちが、おそらく5月にドドドドドドとリリースされると思いますので、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです。そして5月は新たな媒体様でも執筆させていただくことになったので、初心を忘れず、階段飛ばしなんかせず、まっすぐ頑張ります。

ちなみに、書けば書くほどライターの仕事って(特にコラムや書評系)書くより「考える」が時間が多いなと。どちらも楽しいのだけど、筆力と同じように考える力(?)も鍛えれば磨かれるのかなぁ。磨きてぇ。めいを。

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