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夢はK-POPアイドル『ガールクラッシュ』まっすぐな夢の力強さと影響力

昨年、日本中を席巻した9人の少女たち。その名も「NiziU(ニジュー)」。

ソニーミュージックと韓国の大手芸能事務所JYPによる日韓共同プロジェクト「Nizi Project」と言うオーディション番組で生まれたガールズグループだ。

総勢10,231人の応募者の中から選ばれた26人の合格者たち。そこからさらに、日本合宿、韓国合宿を経てデビューを勝ち取ったのが「NiziU(ニジュー)」。夢に向かう10代の少女たちのひたむきな姿に日本中が夢中になった。

デビュー後も「NiziU(ニジュー)」は、デビューからわずか29日でNHK紅白歌合戦を果たし、地上波初となる冠番組「We NiziU! TV」を持つなど、音楽シーンだけではなくバラエティの世界にも圧倒的な存在感を発揮している。

「NiziU(ニジュー)」の姿を見て、K-POPアイドルに憧れる少女たちは増えたのではないだろうか。

3人の日本人メンバーがいるTWICEがデビューした2015年から、2019年までの5年間に韓国でK-POPアイドルとしてデビューした日本人の総数が20人ほどなので、2020年に特に急増したことがわかるだろう。(出典元:https://gendai.ismedia.jp/articles/-/77039?imp=0)

現にK-POPアイドルとしてデビューする日本人の総数は増えているし、今回の「NiziU(ニジュー)」の登場を機にこれからもK-POPアイドルに憧れる少女たちが一層増えることだろう。

マンガに反映される社会の世相

マンガには、社会の世相が色濃く反映されると私は思う。

例えば、かつて2020年に日本でオリンピックが開催されることが決まった時に、そんな未来に怯えて婚活に奮闘する東京タラレバ娘の連載がスタートしたし、明日、私は誰かのカノジョ』ではコロナ禍になった途端に登場人物たちがマスクを着用しだした。

それならば、この近年のK-POPアイドルの勢いを受けて「K-POPアイドルを目指すマンガ」が誕生しても良いのではないだろうか。

夢はK-POPアイドル『ガールクラッシュ』

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👉『ガールクラッシュ』を読む

まさにそんなK-POPアイドルを目指す少女たちを描いた作品が、現在LINEマンガで連載中だ。

主人公・百瀬天花は、歌もダンスもできてスタイルも抜群な美人...と言う超人のような女子高生。何でも器用にこなす彼女が唯一うまくいかないのは「恋愛」。

ずっと想いを寄せているのは、天花にとって特別な存在である幼馴染の晴海。

複雑な家庭で生まれ育った天花は、孤立した幼少期を送っていた。そんな天花に対してまっすぐに接する晴海に心惹かれた天花は「晴海くんにふさわしい人になりたい」と思うようになるのだ。その気持ちはいつしか「完璧で隙のないかっこいい人になる」と言う現在の彼女を形成する核たるものになる。

けれど、そんな晴海が熱心に見つめる先にいたのは佐藤恵梨杏だった。自分よりも小柄で地味で弱々しい彼女に驚きを隠せない天花。

そして、そんな恵梨杏の夢こそK-POPアイドルだったのだ。

自分より容姿も実力も劣る恵梨杏がK-POPアイドルを目指していると言うことに対して「虚しくなんないの?成果が出ないことを努力し続けること」と、天花は少し意地悪なことを言うのだが、

どう考えても虚しくない!やりたいことやってるんだよ こんなに幸せな時間の使い方ないわ!(ガールクラッシュ 2話より)

と、恵梨杏はまっすぐな瞳で答える。そして晴海は、恋心ではなく恵梨杏のそんな努力に尊敬の念を抱いているのだった。

気付いたら、夢に向かってひたむきに努力をする恵梨杏の姿に目がくらむ天花。すっかり恵梨杏に刺激された天花も、彼女と一緒にK-POPアイドルを目指し公開オーディションを受けることになる...。

まっすぐな夢の前では

K-POPアイドルを目指す2人の女子高生の青春譚を描く『ガールクラッシュ』。

私が一番心惹かれたのは天花と恵梨杏の関係性だ。

当初は恵梨杏を下に見て、意地悪なことを言っていた天花。けれど物語が進むうちに、オーディション前にメイクが下手な恵梨杏にアドバイスをしたり、堂々したパフォーマンスを評価するなど、天花は恵梨杏のことを「認める」シーンが増えていく。

どんな人もまっすぐな夢の前では何も否定できない。そんな夢を持つ人の力強さや、影響力を感じさせるのだ。

交わらないはずの2人の少女がひょんなことから出会い、夢に向かって奔走すると言うストーリーもマンガならでは。ストーリーを追うごとに読み手も思わず彼女たちを応援してしまう。

現在は12話まで公開されており、天花と恵梨杏は渡韓して公開オーディションやダンスレッスンを受け、夢に向かってひたむきに努力を続けている。

今後「Nizi Project」のように、熾烈な合宿や訓練が繰り広げられるのだろうか。

2人の夢の行方を見守りたい。

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