「デザインにハマった男がMEIALUAを作り、何を目指すのか」MEIALUAメンバーインタビュー②鍋倉 誠治
株式会社MEIALUAは、デザイン・ブランディングからアーティスト活動まで幅広く活動しているアーティストカンパニーです。
本記事は、そんな株式会社MEIALUAのChief Designer兼Artistを務める鍋倉 誠治について掘り下げていきます。
幼少期の書道の経験をきっかけにデザインやアートにのめり込んでいった鍋倉(以下、なべ)がどのようなきっかけでMEIALUAを生み出し、独立するに至ったのか。
ぜひ最後までお付き合いください!
「デザインが好きとかじゃなくて、デザインにハマってる」
ーまず、なべがデザインやアートにハマったきっかけと没頭するに至るまでの話を聞かせて欲しい!
きっかけは5歳のときにお姉ちゃんの影響で書道を始めたことかな。
遊んでばかりだったから、6歳ながら書道教室をクビになったこともあるんやけど(?)、高3まで続けとったね。
その教室は日本習字学会の教室で、休まずに通い続けた結果、高校生の間に書道教室を開く許可を得られるレベルまで免許を取ることができました。
自分で言うのは恥ずかしいけど、それなりに才能があったんやと思う。
あと、小さい頃にADHDに近い学習障害があったから、喋ることはできるけど文字の覚えが周りと比べて遅い時期があったんやけど、それでも絵を描くことはできたんよね。
ただ、高校までずっとサッカーをやってたから、卒業後の進路はサッカーができる大学を選ぶんやろうなぁと、なんとなく思ってた。
そしたら、中・高と一緒にサッカーをやっていた友人が「こういう学校があるんやけど、オープンキャンパス、一緒にいかん?」とデザインの専門学校を教えてくれたんよ。
このときはデザインという言葉すらほとんど知らなかった。
学校がある東京までオープンキャンパスに行ってみたことで、やっぱり絵を描くこと、何かを作ることが好きだと気付けたので、その学校に行くことに決めました。
デザインの専門学校に入学する人たちの中には、高校からデザインを学んできた人もたくさんいるんやけど、入ってみると自分の画力や書道の経験、サッカー部で培った気持ちの強さなどのおかげで意外と通用したんよね。
そして、3年かけてデザインの本質的な部分やプロセス、考え方などを学んでいくうちに、デザインが好きになったと言うよりも、どんどんデザインに“ハマって”いった。
実は元々、親戚のおじさんのような存在の人がデザイン会社を経営していて、グラフィックデザイナーとしてめちゃくちゃ活躍しているという話は聞いてたんやけど、学校でデザインについて学ぶことでそのおじさんの凄さ・かっこよさがわかってきて、なおさらデザインを頑張るようになりました。
学生時代には色んな賞を獲得したり、実績は残してきたんやけど、卒業制作ではいろんなことが重なって一番大事な最終プレゼン中に100人以上の前でエグい説教をされるなんてハプニング(?)もあったね(笑)。
専門学校は、本当にたくさんの人の支えもあってなんとか卒業はできたという感じ、、(笑)。
就職活動については、色々な会社の職業体験をしたけど、デザインの制作会社としては珍しく、直接クライアントと仕事をしている会社で職業体験をしたときに、この会社であればデザイン制作だけでなく企画段階からたくさんのことを学べるなと思って、その会社に入社した。
入社してからは幅広いデザインに関わってきたから、デザインにもっともっとハマっていったね。
自分の場合は「デザインが好き」とかじゃなくて、「デザインにハマってる」の表現のほうが正しい(笑)。
「二人でタバコを吸いながら、お互いの良さを持ち寄って決めたのが今のMEIALUAのロゴ」
ー詳しく教えてくれてありがとう。MEIALUAはどのようにして始まったの?
こげ*とスタートしたのが1番最初。
こげとは、学生時代から「なにか一緒にやりたいよね」と話す仲だったんやけど、お互い卒業してからは会う頻度も減ってしまって、何も取り組めずにいたんよね。
ただ、就職して仕事ばかりの面白くない人生を歩んでいる自分と、就職せずバイトをしながらアーティスト活動をしていたこげ。
「やっぱりこげと何かを成し遂げたい」という気持ちが再沸騰して、まずは2人で個展をやってみることにしました。
自分たちにとって最初の個展になるから「個展のロゴも作ろうか」という話になり、渋谷のカフェ(アティックルーム)の喫煙席で2人のアイデアを出し合いながら完成した個展のロゴが、今のMEIALUAのロゴ。
なんか今となってはエモい思い出やなぁ(笑)。
ーエモすぎるね(笑)。ちなみにMEIALUAという言葉って、何の名前なんだっけ?
最初は、個展を開くために作った、自分とこげ2人のチーム名。
「meia-lua/メイア・ルア」は、ポルトガル語で「半月」っていう意味なんやけど、サッカーでも同じ単語があって、その意味は「裏街道」(相手の意表を突いて抜き去るプレイ)。
この2つの意味からチーム名を作りました。
お客様の潜在的なアイデアを引き出し、目に見えるものにして、人々に感動を届けたい。
現状に満月(満足)せず、朔望月(成長)し続ける。
俺たちの感性をより多くの人に伝えて、感性で課題解決に取り組んで行く。
そんな意味を込めてる。
「もう、MEIALUAでやるしかない」
ーなべにとって、就職した会社をやめてMEIALUAで独立することは大きな決断だったと思うけど、独立する決心はどうやってつけたの?
サラリーマン時代、仕事はめっちゃ楽しかったし、日々デザインに対して学びはあったんやけど、どうしても100%の当事者意識を持てず、「やらされてる感」を感じながら働いてたんよね。
あと、元々の自分の人生設計の中では、1社目は就職から3年でやめようと思ってた。
デザイン自体は好きやけど、フリーランスデザイナーとしての働き方に対してはあまり楽しさを感じなかったから、それであれば、MEIALUAを法人化して独立するのがいいんじゃないかと考えるようになったのがきっかけやね。
この時期、実家の事情的に福岡に戻ったほうが良いのではないかという考えがあったという偶然も重なって、会社をやめてMEIALUAを法人化させるという決断自体はすぐにできたね。
ただ、会社勤めしているときの経験上、自分は経営者として必要な細かい業務をきっちりできるとは思えんかった(笑)。
そこで高校の頃の同級生で現MEIALUA代表のリョウセイが適任(MEIALUAの個展をディレクションしてくれたこともあったので)なのではないかと思って、代表になってもらうようお願いした。
この意思決定によって、改めて「もう、MEIALUAでやるしかない」という状況になったんよ。
ーたまたまリョウセイの転換期*と重なったことでリョウセイが代表をやってくれることになったのは大きかったね。
(*前回のインタビュー記事で詳細を紹介)
リョウセイはおれにとって何でも任せられる親友だったから、正直、MEIALUAを作った当初から潜在的に「いつかリョウセイに頼もう」と思ってたんかもしれない。
ーそんな思い入れのあるMEIALUAを通じてなべが実現したいことを教えてください。
そうだね、、(笑)。
大人になってからデザインしかしとらんから、答えるのが難しいけど、1つ確実に言えるのは自分たちのデザイン、MEIALUAのデザインをもっと世に出していきたい。
MEIALUAはデザイン×アートを軸にしているからこそ、「MEIALUAが担当した〇〇のデザイン」として世に出るのではなく、「MEIALUAのデザイン」が世に知られるようになってほしい。
突飛な話だけど、ゆくゆくは、初めての個展をこげとやったときに考案したアート・デザイン・アパレル・カフェ、すべてを踏襲したMEIALUAオリジナルの商業施設を作りたい。
自分たちがやりたいことをやるのが一番かっこいいと思っとるから、その状態を常に実現したいね。
ー壮大な目標があっていいね!最後に、この記事を読んでくれている読者の方にメッセージをお願いします。
「やりたいこと、やっていこうや(笑)」と伝えたいです。
転職してやりたいことをやりたいけどなかなか踏み出せない人や、そもそもやりたいことが見つからない人など、人それぞれに挑戦を妨げる枷があると思います。
ただ、自分が思うに、仕事を辞める勇気が出ないということは本気でやりたいと思っていることやないし、仕事を辞める勇気があったのならその先にやりたいことが見つかる可能性があります。
自分の嗅覚を信じて、楽しい方向に進み続けてほしいです。
(取材・文=金子 新太郎)
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最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。
鍋倉のデザインに対するアツい想いは伝わりましたでしょうか?
ぜひこれからもMEIALUAのデザインにご注目ください。
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