フラミンゴ鳩毛繕いす 12月25日

駅で鳩を見ていると、稀に片足で立っているものがある。
足を怪我してしまったのだろうか、それとも寒いのだろうか。あるいは、彼の親がフラミンゴ🦩だったかだ。

先日、足をかばいながら歩く鳩がいた。
丁度足を痛めた人間がやるようなタヒョッ…タヒョッ…というようなステップである。
あぁ、鳩も同じなのだ。
全く形も大きさも違うのに、同じなのだ。

鳩は偏ったリズムで歩みを進めて、やがて止まる。彼の親はフラミンゴだった。
彼は片足のまま首をすぼめて、ただじっとしていた。クチバシの前を人の脚が掠めても動じなかった。目の前に人が立っていても首を傾げて見上げるばかりだった。冷たい風が吹いても、頭の羽が少し揺れるだけだった。

幾らか、私の生命力が彼に移ればいいと思った。
ので、念じてみた。そう、彼の親がフラミンゴなら、私のおばあちゃんは超能力者なのだ。多分。

暫く”それ”を送っていると、フラミンハトはすっと首を伸ばし毛繕いを始めた。
街に黒く染められた羽の奥に白いふわふわが見える。人の蔓延る都会にも、まだ踏まれていない雪が残っていた。

少しほっとして私は電車に乗った。


今日も同じ駅に着く。
昨日の場所に鳩は居ない。
彼はどこか別な所へいったのだ。
私は怪我もしていないのに、毎日の様に同じ時間同じ場所に居る。

彼の生きることを疑わない目が、幾らか私にもあればいいと思った。



メリークリスマス。

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鷹崎恵意
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