映画『ワンダーウーマン1984』(2020)の感想

パティ・ジェンキンス監督の『ワンダーウーマン1984』を映画館で観てきた。

前作を見ずに、ぼんやりとした知識で見るという蛮行だったのだが、行ってよかった。

まず、ガル・ガドットのこのうえない美しさは、大画面で堪能すべきだと思う。彼女の圧倒的な存在感が、力業で、脚本の弱点などすべてを飲み込んでいく勢いが感じられた。

正直に言うと、開始一時間ぐらいで飽きてしまい、席を立つか立つまいか迷ったのだが、主人公のダイアナが未練を断ち切るところから、引き込まれていった。

荒唐無稽なのだけれど、「欲望(願い)よりも、大事なものがある」というメッセージと、この世界は美しいのだとダイアナがすべてを全肯定する様子は、まさにヒーローにふさわしい。

そして、バットマンと同様、ワンダーウーマンも、孤独である。利他的であるためには無私でなければならない、という理屈もよくわかった。

ペドロ・パスカルが演じるマクスウェルの孤独も、痛ましい。息子に存在そのものを肯定されることで、執着から解放される、というのは、安易なのだけれど、誰もが無条件の肯定を必要としている、という点では理解できた。(ただし、一般論として、親が子どもに肯定を期待してはならない、と思う。本来、それは親の子に対する務めである)

バーバラのキャラクターが少し消化不良ではあるのだけれど、次作ではフェミニズム的な観点も、さらに深めて描いてもらえたら、解決するような気もする。

今週の金曜日(2021年1月8日に)二度目の緊急事態宣言が出される、ということで、また日常が少しずつ変わっていくのだろう。疲労感にやられないように気を付けていきたい。


チップをいただけたら、さらに頑張れそうな気がします(笑)とはいえ、読んでいただけるだけで、ありがたいです。またのご来店をお待ちしております!