鬼頭政人(2022)『資格試験に一発合格する人は、「これ」しかやらない 忙しい社会人のための「割り切る勉強法」』
鬼頭政人さんの『資格試験に一発合格する人は、「これ」しかやらない 忙しい社会人のための「割り切る勉強法」』を読んだ。PHP研究所から、2022年3月に出版された本である。
わたしは今、FP3級の勉強をしている。簡単だとか、独学でも十分だと言われたりもしているが、その人の背景によって勉強量、勉強時間は大きく違ってくるだろう。わたしは青色申告や確定申告の経験はあるので、まあ、ここは間違えないだろうぐらいで、あとは知らないことばかりだ。
試験対策本に「テキストを何度か通読しよう」と書かれていたりもするが、基礎知識がある場合は、この通読にも効果があるのだが、制度や数字を正確に覚えるには、通読では全然覚えられない。
まず、一問一答で、基礎用語を覚え、そのあとに細かな数字や日付を覚えていくという手順を取らないと、何もかもがぼんやりしてしまう。
ちょいと、勉強のモチベーションが落ちているので、エナジードリンクとして、資格試験合格の道系の本を読むことにした。(みなさん、自己啓発書の成分はレッドブルとほぼ同じです笑)
参考になったところを覚え書きとして残しておきたい。
わたしの試験勉強はざっくり把握してから、詰めていく。予想問題集はなるべくやらず、過去問をやりながら、自分がわかっていないところをチェックしていく、といったごく普通の方法である。過去問は5回分を5回やる。5周目には、ほとんど覚えているので、時間もかからない。ただ、そこでも間違える問題が1~2問出てくるので、その問題だけ、注意しておく。そこまでやって本番を迎えられると、まあ、大丈夫、多分。
あと、息抜きとして読む本は、試験と関連した分野の新書や入門書を読んで、知識を深め、自分の勉強を「文脈化」するように心がけていた。(わたしは、エピソード記憶に強いので、裏話とか、そこで事件やトラブルがあったとか、背景知識があった方が覚えられる。無駄な蘊蓄、雑学に詳しいたちも、そのようなタイプだと思われる)
鬼頭さんの本を読むことで、自分がやっていたことが整理された感じがするし、やる気もちょいと回復した。
この本とあわせて、山田浩司(2017)『10万人が難関資格試験を突破した 受かる勉強33のルール』も読んだ。
こちらの本は、勉強や学習にまつわる話で、合格する人の特徴として、「モノクロではなくカラーのテキストを使っている」「勉強中に歌のない音楽を聴いている」「周囲に資格試験の受験を宣言している」(p.4)といったものを挙げている。
興味深かったのは、高学歴者やいい会社に勤務している人はプライドが高く、講師の言うことを聞かず、自己流に走り撃沈している、という指摘である。また、現状を打開したい、という真剣な気持ちの人の方が合格している(p.30-31)、という事実にほっとする。
ときどき、このジャンルは自分に向いていないような気がする、といった不安が頭をもたげたりもする。
ただ、FP3級の勉強でいえば、「わたし、都市計画とか、生前贈与に向いていないと思うのよね」なんて考えても仕方がない。向いている人なんていない。未知を既知に変えていくしかない。
FP3級の受験料も8,000円(学科4,000円、実技4,000円)もする。資格予備校にテキスト代と授業料を20,000円払っており、試験会場までの交通費なども考えれば、資格取得費用として30,000円ぐらいかけることになる。こりゃ、合格せねば。そして、怠惰な自分に勉強させるには、これぐらいの出費が必要であるという、動かしがたい真実でもある。(独学だけでコツコツできる人間だったら、すでに合格しているはずだ)
ある程度、根を詰めて勉強して、また違う風景が見えてくることを願っている。