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無職の終わり

3月の終わり、ぎりぎりで内定が出た。正社員ではないが、フルタイムで社会保険のある仕事が決まった。

給料は大幅に下がる。世にいうところのワーキングプアレベルの給与なのだけれど、前職を活かしつつ、新しい仕事にチャレンジできるので、ありがたい、と思っている。

バリバリ働きたい、というテンションにはまだなっていない。正直なところ、リハビリを兼ねている、という側面もある。

(無駄なプレッシャーをかけ、モラハラをするのが仕事のやりがいだと勘違いしている上司がいないことを願っている。わたしは業務に本当に必要なことであればプレッシャーをかけられても平気で、理解もできる。ただし、本人のプライドや権力誇示のための圧力は許せないし、許さない)

所属なしの日数を数えると151日であった。5か月。有給休暇消化期間を含めると、6か月は、行かなければならない場所のない生活をしていた。規則正しい生活には、ほど遠いが、夜型にはならず、生活ができていたのは、資格の学校に通っていたからだ。面接での会話で淀みつつも話せたのは、この学校の先生やクラスメイトのおかげだ、と思っている。

ひとり暮らしの無職は、意識せずにいると、誰とも会話することなく、一日が終わってしまう。話せる相手がいる、というだけでも、ありがたいことだと気が付けた。

あとは、自分の子守りがうまくなることが大事。要するに、暇つぶしではあるのだが、そのレパートリーを増やしていくこと、孤独とうまく付き合うこと。

就職とは、社会の中における所属で、それが確保できたことは素直に喜びたい。

ただ、無職で、ワンルームのアパートでダラダラしているときの「忍び感」も嫌いではなかった。誰にも気づかれず、ダラダラしてんだぜ、というような忍者のような気持ち、隠遁生活っぽい感じも悪くない。

ただ、働いていないと、アパートの更新もできるかどうかわからないので、不安ではあった。根無し草であることは、今も昔も全然変わらない。

今年一年の目標は仕事以外の居場所をいくつか作っておくこと。つかず離れずの、続けられる関係性を維持できる場所を作りたいと思っている。

あと、今回の転職活動で感じたことは、職務経歴書があるだけで、そんなにアピールしなくてもよいことだ。新卒の就職活動のときの心許なさに比べれば、全然楽だった。実績も経験もない人に、面接パフォーマンスをさせるって、本当に不毛な気がする。新卒一括採用なんてやめてしまえばいいと思っていたが、これだけ少子化が進んで、新卒(若者)の母数が減った今となっては、国策的に新卒採用がやれたほうが好都合なのではと思う。

今回、実際に応募したのは4社。2社は書類選考落ち、1社はアルバイトで合格、もう1社はフルタイムの契約社員で厚生年金と健康保険があったので、こちらを選んだ。

ただ、今回は再転職も念頭に置いて、情報収集は続けたいと思っている。給与が低すぎるので、このままでは貯金ができなくなってしまう。副業やら何やらで、補填できるようになれば、それもまた選択肢の一つになる。

みうらじゅんが、「不安タスティック」を楽しめ! と言っていたように、不安をエンタメ化するしかないのだろう。

「不安タスティック」とは
人生はつねに不安なものである、
しかし、「不安」に「タスティック」をつけることによって
毎日をたのしんでいこうじゃないか、ということです。
「なんだって、不安じゃないとつまらないものさ」と、
自分自身を洗脳していきましょう。

https://www.1101.com/21lifeis/2014-11-07.html

つい、生活の「安定」と「安寧」な暮らしを願ってしまうが、わたしにとってそれは、「考えることを減らしたい」という思考停止への願望でもある。日々、ベストなキャリアとは何か、よりよい暮らしとは何かを考えることは、非常に面倒くさい。考えるとき、脳に負荷もかかる。好条件の職場を探し続けるのは大変なことだ。薄給でもよし、としたのは、転職活動(無職)を終わらせたい、という気持ちが大きかった。

しかしである。やっぱり、考え続けることをやめてはいけない、と思う。職場にしがみつく、ここしかない、という生き方は、わたしにとっては苦しいものだ。どこにでも行ける、と思いながら、体と心の健康を第一に、仕事をしていきたい。キャリアについては、日々考えたい。

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佐藤芽衣
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