見出し画像

できないくせに仕事に飽きる

先日、病院に行くために、平日に有給休暇を取った。朝から病院に行き、空腹を感じ、オフィス街の定食屋に入った。昼時で混んでいたが、一人だったので待ち時間もなく、すぐ席に案内された。

右隣の会社員風の女性は、食べながらスマホで映画を観ている。食事もおいしくなさそうだし、映画も面白そうに観ている雰囲気ではなかった。労働の合間の休憩なんて、そんなもんだよな、と思った。

左隣は向かい合わせで、会社員の男性が座っている。二人とも、首にセキュリティカードのようなものをぶら下げているので間違いない。人事部なのか、管理職なのか、いろんな社員の名前が出ていた。「〇〇さん、ちょっと疲れてるみたいで~」と淡々と情報交換をしていた。

途中から新人の話になり、「まだ、仕事がよくわかってないのに、仕事に飽きちゃってるんだよね」と苦笑いしていた。

苦笑する二人の気持ちもわかるが、仕事を十分に理解する前に飽きてしまう新人の気持ちもわからないでもない。できないことがわかっていても、仕事のコツがつかめず、緩慢に時間は過ぎていく。ピンチに陥っても喉元過ぎれば熱さを忘れるで、またぼんやりしたりする。その仕事に飽きているというよりは、その職場の環境や雰囲気に飽きてしまっているのではないだろうか。同僚のキャラクターや職場の人間関係も一度把握してしまえば、それほど予想外のことは起こらない。できないくせに一丁前に退屈する。

その新人に忍耐力がないとか、身の程を知れとか言うのは簡単なことではあるが、わたしは説教できる立場にない。わたしも働くことに飽き飽きしている。仕事の深みや真髄なんてわかっちゃいないし、ビジネスの何たるかもまったく理解できていないが、飽きている。世界の中心で働きたくないと叫んだけものになるぐらい、働きたくない。

新人よ、仕事に飽きてもいいから、それが周りにバレないように気を付けなさい、とだけはアドバイスしておきたい。

いいなと思ったら応援しよう!

佐藤芽衣
チップをいただけたら、さらに頑張れそうな気がします(笑)とはいえ、読んでいただけるだけで、ありがたいです。またのご来店をお待ちしております!