おまえら「ガチャガチャ」言い過ぎだよ
「ガチャ」とは、ガチャガチャ、ガシャポンの偶然性(偶発性)、欲しいものが手にできる確率の低さを強調する表現だったと思う。
「親ガチャ」という造語を知ったときは、たいそう驚いた。自らの不遇を嘆きつつ、自らの不幸は親の責任であると、はっきりと明言している。そこには悲しみとふてぶてしさがないまぜになっており、「うまいこと言うな」と感心した。
つい最近、「上司ガチャ」「配属ガチャ」という言葉を知り、ちょっと「ガチャ」が過ぎるのではないかと思い始めた。
変な上司の下で働くことになるなんて、あるあるでしょ。本意ではない部署でやりたくない仕事をするのも、めずらしいことじゃないじゃん。
まるで、運が悪くて、貧乏くじを引いてしまい、本来であれば、もっと良いものを手にできていたはずだ、という自己評価の高さと、見込みの甘さを感じる。いやいや、世の中には偶然があふれていて、その偶然に助けられて生きてきた可能性には思い至らないのか。あなたもわたしも気付いていないような幸運だってあったはず。
とはいえ、そんな説教くさい、老害チックなことを言っていても仕方がない。
9:00~17:00の7時間労働に涙するZ世代の若者の訴えが世界中でバズる世の中だ。もう、我慢強さなんて美徳ではない。日本は超少子高齢化で、若者は超売り手市場の就職活動を経て、内定を蹴りまくって、入社しているのだから、配属先に落胆するのも無理はない。
ロスジェネは景気ガチャとか時代ガチャとか言わずに我慢してきた。もしかしたら、ガチャガチャ言わなさ過ぎだったかもしれない。
やっぱり、ガチャガチャ、ごちゃごちゃ文句を言っていこう。言わないと、誰も気づきもしないのだから。
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