#映画感想文『パーム・スプリングス』(2020)
マックス・バーバコウ監督の『パーム・スプリングス』を映画館で観てきた。
タイムループものである。
永遠に友人の結婚式当日を生きることになった男は、ただただ暇をつぶす。それに巻きまれた女は脱出を試みるためにめちゃくちゃ物理学を勉強する、というかわいいコメディ映画だった。
主演のアンディ・サムバーグは、この映画で初めて知ったのだけれど、彼が魅力的でずっと見てしまえる映画でもあった。
永遠に生きなければならなくなったとき、人は何をするのか。
浴びるように酒を飲み、セックスにふけるのなんて、すぐに飽きてしまう。
永遠の時間と向き合うとき、人は学びはじめ、学び続ける。
死ぬことがわかっていたときは、サボってしまうというのに。
1993年のビル・マーレ―の主演映画『恋はデジャ・ブ』の翻案という感じもしたけれど、映像がきれいで、よりポップだった。
「時の矢」が面白おかしく描かれ、あの羊は生贄として捧げられたのだろうか、などと小道具も楽しい映画であった。
時は過ぎ去っていく。しかし、「学び」は我々の人間の内部に蓄積されていく。「さあ、学ぼう!」と思える映画は、本当に素晴らしい。
チップをいただけたら、さらに頑張れそうな気がします(笑)とはいえ、読んでいただけるだけで、ありがたいです。またのご来店をお待ちしております!