キリマンジャロ登山④登山編~4日目-6日目、山頂アタックそして下山
2024年-2025年の年末年始に、アフリカ大陸最高峰・キリマンジャロ登山(5895m)をしてきました。その時の記録です。
マチャメルート5泊6日です。
4日目:バランコキャンプ(3964m)→カランガキャンプ(4021m)→バラフキャンプ(4648m)
この日はバランコウォールと呼ばれる壁を登り、山頂アタックのベースとなるバラフキャンプを目指します。バランコウォールの渋滞を避けるためと言うことで6時に出発予定でしたが、実際の出発は6時50分頃でした。6時台に出発できればOKってことなのでしょう。これぞアフリカンタイム。
問題なくバランコウォールを抜け、岩稜地帯を進みます。景色が綺麗。カランガキャンプまでは3時間と聞いていましたが実際はもっとかかりました。遠くにキャンプが見え、もうすぐと言われますがなかなか近くなりません。しかもキャンプ手前で一旦高度を下げてからの登り返しがあり辛かったです。カランガキャンプ手前で昼食。
カランガキャンプからさらに3時間ほどかけていよいよベースキャンプに到着です。子ども連れなのでペースはかなりゆっくり、この日は大晦日でバラフキャンプは大混雑、さらに何故かポーターの到着が私たちより遅く良いテン場はすでになく、通常のテン場から50m程下がったところにテントを張ることに。トイレまで徒歩15分くらいかかるため、その辺で穴を掘ってしろとのこと。それは…となりましたがもうこのころには慣れたもんでした。
頭痛がするのでまたバファリン摂取。テントで横になったら起き上がれなくなりました。高山病と疲れが一気に襲い掛かります。でも薬が効いてすぐに回復しました。お茶の時間ですが、もうポップコーンは食べたくありません。なので日本から持参したカップ麺(やたらお腹は空いていた)を食べます。すぐに夕飯。この日はパスタでしたが、頑張って4杯食べました。同行者の箸(フォーク)は全く進まず。
19時頃、今夜の山頂アタックに備えて仮眠を取ります。出発は23時、の前に準備があるので22時は起きろとのこと。
5日目:山頂アタック!!
バラフキャンプ(4648m)→ウフルピーク(5895m)→バラフキャンプ→ムエカキャンプ(3074m)
今回の登山の核心部です。いよいよ山頂アタック。高度の影響で仮眠が取れない人が多いと聞いていましたが、幸い私達は3人全員22時まで爆睡しました。防寒対策で上下にメリノウールのインナー、ダウンパンツの上からレインパンツ、長袖シャツ、薄手ウェア、ライトダウン、フリース、ハードシェル代わりのワークマン・イナレムプレミム、カイロ3枚とかなりの重装備。登山慣れの人ならもっと薄着でいい服買ってください。既にたくさんの人が登っています。登り始めて1時間で元旦を迎えあちこちから「Happy New Year」の叫び声が聞こえてきました。
さてここからは本当にしんどかった…そこそこ体力に自信はありますが標高の高さにやられました。そして人が多過ぎて思い通りに進めない。加えてこれまで蓄積した疲労、睡眠不足、寒さ(爆風が吹き荒れ、体感はマイナス15度くらい?)で足がかじかみます。さらに補給食を渡されなかったので、持参した行動食で空腹をしのぎます。同じ日程でMatata Toursに参加した日本人曰く、何らの食事を持たされたとのことだったので、私たちのチームは忘れたようです。頭痛もありハァハァ息切れしていましたが、バファリンを飲み、水分摂取をし、鼻をかんだらだいぶ楽になりました。途中で心が折れかけましたが、高いお金を払った(相場より安いとはいえ)ことを思い出し、持ち前の貧乏性が諦めることを許しませんでした。夜明けになり、多少寒さが和らぎ楽になりました。ご来光はピーク手前で迎えました。
ステラポイントまで来てフラフラだったお子さんはリタイヤ。ガイドに連れられて先に下山となりました。ただステラポイントもピークの一角ではあるので、何とか登頂は達成と言うことになりました。
ここから1時間弱でウフルピークに到達です。雪が付いていましたが、アイゼン等は不要でした。あったら便利ですが結構土も出ているし、着脱が面倒です。遠くの方に氷河が見えます。アフリカで唯一氷河があるところなんだそうな。私は氷河自体初めて見たので感動でした。遠いけど。山頂では各国が看板前で写真撮影の順番待ちをしており、順番を守らない中国人に欧米人がキレて喧嘩になっていました。おいおい、ここは標高6000m近いんだぞ、大丈夫かい?と思いつつ、自分達も列に並ばないといつまでも写真を撮れないのでじっと待ちました。
さて、写真を撮り終わったら下山です。既に9時過ぎ。実に登り始めてから10時間程経っていました。一番早い人は6時頃山頂に着いてたそうなのでだいぶゆっくりペースです。6時頃に着いた人は爆風で寒くて早々に退散したとのことでした。残すは下るだけですが、結構バテバテでしんどかったです。下山は登りとは別ルートで富士山の砂走のようなところを下っていきます。散々着込みましたがもう不要です。防寒着は全て脱ぎさり、薄手の長袖で下山。脱いだ衣類がカバンに入りきらず、ガイドに持ってもらいました。12時頃バラフキャンプに戻り、束の間の休憩(仮眠)を取ります。13時からはランチ。もう無理してマズい飯を食らう必要はありません。残すのは忍びなかったですが、ほとんど食べませんでした。
そこから3時間程だらだらと下り、ムエカキャンプに到着です。ちなみに帰りはマチャメゲートではなく、ムエカゲートに向かうことになります。
散々苦労して上げた標高がぐいぐい下がります。今日もトイレから離れたテン場。トイレはその辺の木の陰でしろとのこと。本当にもう慣れたもんです。さて、この日の夕食の後、ガイドからおずおずとチップの話がありました。どうやらガイドはMatataにチップの金額を知らせる必要があるため、どうしても知りたいようです。それぞれの氏名を書いた紙を渡され、そこに金額を書き込んでガイドに渡します。
ムエカキャンプの標高は約3000mと初日のマチャメキャンプとほぼ同じ標高ですが、あの時眠れなかったのが嘘のように熟睡しました。深睡眠4時間超えなんて見たことない…(普段は1時間くらい)
6日目:ムエカキャンプ(3074m)→ムエカゲート(1637m)
もう今日は下るだけ。朝食の後にチップを渡し(渡すときは歌とダンスを披露してくれます。その後に渡すのがどこのチームもお決まりのようで、最終日はいたるところでキリマンジャロソングが響いていました)初日歩いた熱帯雨林をぐいぐい下っていきます。3時間足らずであっとゆーまにムエカゲートに到着!砂走で汚れた靴を洗ってもらいました。2ドルでした。ちなみにビールはとんでもないお値段で、完全に観光地価格でした。下界の3〜4倍くらいしたんじゃなかったかな?美味しかったけどなかなかあこぎな商売です。
キリマンジャロの登頂を成功させるには?
最後まとめです。
ツアー会社を自分の力量に合わせて選ぶ
諦めない
以上です。今回は格安ツアーと言うことで、ガイドのサポートはほとんど期待できませんでした。それなりに日本の夏山経験のある人であれば問題ありませんが、登山経験なくこの感じはよっぽど体力と根性がないとキツイと思います。なお雪山の経験は不要です。私はほぼありません。
体力はあるにこしたことはありません。ただ体力だけでは高度に打ち勝てませんので、しっかり水分補給と呼吸を意識して高山病対策をしましょう。
ではこれでキリマンジャロ登山について終わりにします。次はタンザニアのサファリについて書いてみます。