アリシアクリニックの倒産を経て元美容看護師が思う事
12月10日、アリシアクリニックの倒産が全国ニュースになりましたね。
かくいう私も、つい半年ちょっと前まで
約1年ほど美容看護師として働いていました。
今回は私が勤めた美容クリニックの内情を書こうと思います。
※もちろんクリニック名は伏せます
某大手の美容外科クリニック
一つ目に勤めたところは、某大手のクリニックでした。
(今回倒産したアリシアさんではないし、最大王手のS南さんでもないです)
そこは丸々1ヶ月、クリニックの本社ビルに併設された研修センターで同期同士で研修を行いました。
・医療脱毛
・医療ハイフ
グループで2週間ずつ、このふたつの施術をある程度習得しテストを行ってから各院に配属されました。
ここは、大手であり看護師の業務で営業的な事は一切ありませんでしたが
私が院に配属されてから衝撃だったことは
「社会経験も病棟経験も一切関係ない」
「ここでの序列は、先に入ったか後に入ったか」
という事です。
年下だろうが、後から入ってきたスタッフには初めましての挨拶もなく
初めから上から目線、「おはよー、よろしくね」的な態度でした。
本当にわかりやすくイメージするなら「学生時代のクラスのカースト」を
社会人になって再現したような感じでした。
看護師資格を持たない看護助手が医師の外科手術の介助をし、(これはよろしくない)
看護師は医療脱毛、ハイフ、レーザー等のいわゆる「スキン治療」を担当していて、
施術室が全て満室になることはほぼなかった上に、
それを上回る人数の看護師と看護助手がいたので
詰め所には暇を持て余したスタッフが、勤務時間のほとんどの時間
本当に学校の休み時間のように
おしゃべりやお絵描きをしながら過ごしていました。
でもやはり大手ならでは、施術マニュアルや使用機械はしっかりしたものでした。
中小企業の医療脱毛クリニック
その次に勤めたクリニックは、ほぼ医療脱毛に特化したところでした。
そこのクリニックはなかなかに黒かったな、と今では思います。
まず、厚生労働省から認可の下りていない脱毛機器。
正直、自社製品のエステ用の機会を魔改造して医療用と謳っているだけのもの。
カウンセリングでも「物は言いよう」でしている事はほぼ詐欺。
医師もバイトばっかりで、本業は皮膚科や美容皮膚科以外だったり
美容医療の専門的な知識はほぼなく看護師任せ。
※外科ではないので、クリニックとして稼働するのに常駐の医師の枠を埋める為
小規模なだけあって、マニュアルも大したものはなく、
美容の知識もスタッフ間でばらつきが大きく
施術に関してもこれでは効果不十分では?という独自の施術マニュアルもあり。。
美容マニアのお客様の方が詳しいのでは?という事もありました。
カウンセラーもそれぞれ、
会社として統一されていたキャンペーンなんてなかったですが
その時々で、良いように
「新生活値引きキャンペーン」「七夕」「ハロウィーン」「クリスマス」
色々なキャンペーンを謳って
元値からあたかも値引きされているかのように見せている販売方法でした。
(この手法、最近も何かのスクールでニュースになっていましたね)
美容業界全体に思う事
もちろん、しっかりと認可の下りている機械を使用し、
明朗性を持って営業していらっしゃるクリニックもあると思います。
ただやはり、今回のアリシアクリニックの件を見てみても
いっときの医療脱毛、美容医療ブームに乗って参入企業が多く集まる一方
価格競争などで倒産していく会社が多い昨今。
今は消費者側となった私も、もし契約するとしても
ローンやコース契約はしないかな・・・と思ってしまいました。
行くとしても都度払いかな・・・。
かくいう私も、新卒1年目の時(まだ医療脱毛が高額で敷居が高かった時)
初めてのエステ脱毛サロンで無料体験をした際に
圧迫カウンセリングを受け、何も知らなかった私は
言われるままにコース契約をしてしまいました。
「月々いくらまでなら払えます?」
「全体で見ると高いかもしれないけど、月にこの値段で綺麗になれると思ったら安くない?」
「むしろやらない理由は何?」
メンタルお豆腐だったかつての私は本当にカウンセラーのお姉さんの圧が怖くて怖くて
更にクーオフなんてするもんなら、あの怖〜いカウンセラーのお姉さんから
何されるかわからないと思っていました。笑
全身全顔のコース(回数は忘れましたが)30万円ほどのローンを組みましたが、
全て消化する前に自己破産され、返金される事もなく
今のようにニュースで取り上げられる事もなかったので、泣き寝入りしたのを思い出します。
まず大前提、詐欺みたいな謳い文句で消費者を誘い込むのも
圧迫カウンセリングで契約を迫るのも良くないですが、
私自身、契約する場合や通う場合は消費者側もリスクを考えて、その企業の下調べをし
自分と自分のお金を守る知識身につけていかなければなと思った次第です。