創作》おい、起きろ
冬の朝は、目覚めても布団の中から出たくない。
今日もいつものようにもぞもぞぐずぐすしていると、枕を向けた壁側の、窓がガラリと開く音がした。
驚いて窓の方を見上げると、窓の向こうから男が顔を出して、こちらを覗いている。
待ってくれ、ここは三階で、窓の向こうは足の踏み場などないはずだ。
ぽかんとしていると、男は僕に向かって、
「おい、起きろ!朝だぞ!」
そう叫んだ。
うわっと声を上げたところで目が覚める。
なんだ、夢か、変な夢だったな。
そう思って窓の方を見上げると、窓が開いていた。
そして思い出す。
僕を覗き込んでいたあの男の顔は、僕だった。