見出し画像

アナログゲームマガジン特別賞(2024年のあれこれ)【ほぼ全文無料】

特集記事です! 

今までの年間賞のリンク 2021年 2022年 2023年


2024年は重量級を中心に204作品を遊んだそうです。遊んでいただいた皆様、ありがとうございます。休日に遊びすぎている気はします。

本記事では37ゲームほど紹介しています。

一番たくさん遊んだで賞

ハイパーロボットはこういう遊びをしている事情から殿堂入りです。なお、オンラインでアナログゲーム、オフラインではソロゲームをほとんど遊ばない派です。BGAとか分かりません。

同率1位(6回) パストニヒト

メビウスゲームズより和訳付きで発売されるやいなや、おそらく「知る人ぞ知るスルメで軽めなカードゲーム」として人気を博しています。

UNOのように、中央の場札の色か数字に合うカードを、手札か手元の場札から出して、新しい中央の場札になります。条件を満たすと手札から手元の場札に出したカードの数字が得点になります。そこからカードを出してしまうと点が減るので、守りたいのですが、上家かみちゃがそうはさせてくれません。

かなりシンプルなルールで、適度な運要素、適度な考えどころがあります。とりあえず持参したいゲームです。

【説明書】
ルールのみが書かれているタイプです。そのため、どういった所が特徴で面白いゲームなのか、一度遊んでみないと分かりづらいとは思います。

同率1位 テラミスティカ革新の時代

テラミスティカ令和最新版、は二つ名システムを搭載して、ランダムセットアップのパターンを増やし、かなりのリプレイ性を担保したゲームとなりました。ドラフトで二つ名や宮殿能力を決めていくルールにすると楽しさマシマシ。

現在は建物の間接接続軒数の1種類しかない、最終目標のバリエーションにもパターンが欲しいところです。

【説明書】
Feuerland spieleの説明書はいずれも力作、かつ大量のルールを上手くまとめあげています。以前の記事に挙げたように、従前のテラミスティカとのルール差分がどこにあるか、マークで分かるようになっています。
ルールが膨大で、効果も多いため、細かな疑問点がプレー中に出てきて、説明書に書かれていないことが何度かありました。致し方ないとは思います。

同率2位(5回) 

は4作品もあるのでさらっと説明します。

フードチェーンマグネイト

重ゲーの中でも特に美しいと思う、シンプルかつ熾烈な顧客争奪ルールを持つゲーム。フードチェーンマグネイト会にて1日3戦したのでカウントアップ。拡張のマイルストーンか「難しい選択」ルール、おすすめですよ。

【説明書】
画像が内容物説明ぐらいしかありません。例示の画像がなく、特徴的なルールを文章だけで表現しています。そのため、シンプルなルールの割りに説明書の理解が進まず困る方が多いようです。

フルーツジュース

手軽でレガシー風味にルールが増えるワーカープレイスメント?ゲームです。1年で基本ゲームの全カードを完走しました! ライム拡張も手に入れてしまいました。いつ遊べるのか……。

【説明書】
カードの効果説明がさらっと書かれています。「この効果で●●した時はどうすれば……」など、頻出しそうな質問についての回答が書かれていないことがあります。フリーゼのゲームにありがちな点ではあります……。

テラフォーミングマーズ

日本版OneHundredの連続1位の座をなかなか降りない本作。実は2023年まで未経験だったところから5戦も経験。序盤に加速とバリエーションをもたらすプレリュードは必須級の拡張ですね。

説明書は読んでいません。

ダイビィ!

ダイスdeポーカー。軽~中量級のダイスゲームはけっこう好きです。実質はソロゲーなのですが、人の悲しいダイス目を見て楽しめます。

【説明書】
簡単なゲームですし、あの刈谷先生の会社のゲームです。読みやすいです。欲を言えばもう少し例があると良かったかもしれません。

15 One Hundred

2023/12~2024/11に遊んだゲームからセレクトしたのはこちらです。元々の企画がオールタイムベストとしているため、今年初プレーから選んだわけではないです。

パレードは殿堂入り。選外にすべきでなかったゲームも思いつきます。適当にセレクトしていますね……。

今年遊んだゲームのみに限定し、プレー時間ごとに分けて紹介します。

軽~中量級ゲー部門(~60分)

チューリングマシン とその弟妹たちについて

数値を判定するカードで試行し、5の3乗、125通りある数字3つの組み合わせを当てるゲームです。考えどころが分からないと解けず、人を選ぶ楽しさです。ソロ用ルールを読まない自分が一人で遊んだ、稀有なゲームです。

チューリングマシンは数字論理パズル(得意な方)、後に出たアーキオロジックは図形パズル(苦手)です。 しかしアーキオロジックの方がゲーム性があると思います。エキスパートモードは「もうこれデジタルゲームでは」ってなります。

クロノロジックはさらに遊びやすいゲームです。6人のキャラがどんな移動経路だったのかを試行し推測していくという、一応は推理もののフレーバーをまとっています。応えまでの道のりが上記2作品よりも明瞭です。

アーキオロジックといいクロノロジックといい、素敵な論理パズルゲームを作るコンビですね!(コンビについてはこちらの記事をご参照ください) クロノロジックの拡張も楽しみです。

【説明書(チューリングマシン)】
以前の記事にも書いたように、すごろくやさんが日本語化するにあたってかなり工夫して原語説明書に手を加えています。原語よりもルールがわかりやすいようになっています。


アーキオロジック
クロノロジック

ザ・カカポ バディ&パーティ

協力型のトリテでパズル。目標の鳥のピースを指定されたスートのピースで囲むことを目指します。当然にマストフォロー。手数がカツカツです。
発想が素敵な同人ボードゲームです。

ペンギンの消えた足跡

こちらも同人ボードゲーム。プレイヤーの手に渡っていない1枚のカードの正体を、トリテをしながら推測するという、トリテの皮をかぶった推理もの。南極系のペンギンが可愛い。

ロールケミスト

これまた同人。ダイスの面に手書きシールを貼れる、インフレできるダイス・紙ペンゲームです。ダイスをビルドするゲームは好きです。シールを追加購入してしまいました。
五体合体★エグゾディア勝利のロマンもあります。

難点はゲーム後の後片付け。全てのシールを剥がします。ここも『ダイスフォージ』に似ていますね……。

フレッシュフィッシュ

フリーゼの生んだ、シンプルかつ至高のインタラクションを持つ競りと配置のゲーム。いつでも遊びたい。大抵は競りにお金を使い控えて負けています。

自分のお店を置くために確保していた好立地がノミの市やただの道になるかもしれないシステムがニクいです。

軽(かる)重ゲー部門(60-120分)

バラドリー

校正校閲しました。特殊効果はほぼ無し、ユーロ感強めで、得点の高くなりそうな色のチップを奪い合うのが熱いです。マップが同人なりに狭いかなぁと思っていましたが狭くて良いぐらいでした。
チップごとの得点をマイナス方向に動かせるオプションを入れた方が楽しそうです。

郵便馬車

ほうぼうで好きな方を見かけるゲーム、ついに遊べました! 都市カードの連鎖を途切れさせないよう、次の手番でもうまく連鎖できるか、時に祈り、時に特殊能力を使い、時に今手番で諦めて連鎖を終了させていきます。
遊んだ後、即日買いました(笑)

フランチャイズ

ネットワーク構築の良作。収入の仕組み、マジョリティのための家駒がいなくなるルールが特徴的です。久しぶりに遊びました。ゲームが進むごとにどんどん盤面が貧相になっていくタイプで、撮り時を逃すと寂しい画像になります(笑)

重(おも)重ゲー部門(120分オーバー)

リバイブ

種族ごとに異なるテックツリー解放と、カード差し込み口のボーナスアクションを考えるのが楽しいです。

ツォルキン 部族拡張入り

ワーカーを置くか、取り除いてアクションするだけの簡単?なゲームです。美しい歯車がグルグル。久しぶりのプレーです。ワーカーへ支払うコーンが足りずコーン窮(困窮)。

部族の強弱がありますのでドラフトハウスルールを推奨。

カーネギー

ヴァリュブルフェイズオーダー×ネットワーク構築で、相手のミープルの配置から選択されそうなアクションを察して動いていけます。シンプルめなルールも好みです。

マラケシュ

3時間級ですがルール説明は簡単な方です。相手のアクションプロットを知った上で、アクションに活用するケシ駒のドラフトをしていきます。2人戦では相手が無駄手を打つことになりがちで楽しいです。本作は何度でも遊びたい魅力があります。
拡張も遊びたいですね。

ローズ・ダムール

オールユニークなバラを上手く育て、枯れないよう維持していくセットコレクション。拡張を入れると、個人能力持ちになり、世話コストの増加で勝利点が増えやすくなるので大変良いです。

祈り、働け

ウヴェ先生の資源ホイールのあるゲーム。建物カードのパズル要素、ワーカーの置き方に独自性がある名作です。再販が望まれます。

カンバンEV

トヨタ風工場をテーマに、女工場長に怒られないように立ち回り、会議での発言権を取り合います。3時間級のゲームですがラセルダの中ではルールはシンプルです(当社比)。
再販おめでとうございます!

惨劇RoopeR 5th

脚本家できる人の希望があり、久しぶりに遊べました。拡張システムはMystery Circleがオススメです。辛勝しました。2025年は何度か遊べそうで楽しみです。

グレート・ウェスタントレイル・ニュージーランド

儲かる手札になるよう、デッキと手札を構築していくすごろく風ゲーム。
NZは、本家のような買うcow(牛)ではなく売るウール(羊)です。2025年にはアルゼンチンの日本語版が出ますね!

ニュークレウム

ルチアーニ式のブラス。ゆるっと途切れにくいネットワークを作って原子力発電していきます。アクションに使うタイルを道タイルとして封印してしまうので、詰まないよう、取り回ししにくくならないよう気を付けていきます。
折れそうな実験ボードはシンキングファクトリーさんのレイヤーで補強して快適です。ネットワーク関係の説明が大変なゲームであるため、サマリーが欲しいですね。

Slay the spireボードゲーム

協力ゲームを珍しく。4時間でレベル2までクリアできました。毒ビルドしてバラ撒いて楽しいサイレントを担当しました。キャラ専用デッキがありローグライクにカードを選択獲得していく楽しさがあります。ゲームの完成度はかなり高いです。サイコロの出目がニクい。

DETECTIVE 御仏の殺人

ボードゲームではないから票は入れなかったのですが、色々なリアルな資料をつぶさに調べる、本格的な推理活動ができて楽しかったです。2作目を積んでいます。楽しみです。

今年で賞

ドラゴンイヤー17

辰年!!
正月に遊びました。12か月の各月のイベントに対応しつつ、どの特化を狙っていくかが悩ましいゲームです。90分ぐらいの短さ(?)も良いですね。

素敵なシステムの新作賞

クトナー・ホラ

カードの上か下のアクション、どちらを使うか悩ましいゲームです。爽快感はすくなめですが、経済ゲームとして資源の相場が入れ替わっていくかなり個性的なシステムなので私は好きです。

木の価格相場がゲームに与える影響が大きいです。さきほどまで「7木=14金」で建築できるはずだったのに、相場が変わって21金を要求してきます。ラウンド終了時の税金アップも読みづらく、計画的な収入アクションが必要。しかしその収入額も相場に大きく左右されるのです。

オラパマイン

光の反射や色の合成を手がかりに、相手が作った色ピースの配置を当てる推論ゲーム。当てるのに手数をかければ難しくありません。

ゲーム1箱だと色ピースが2セットしかありません。脳内や手元の紙でヒントを控えて考えるのは難しいため、1箱だと2人で遊ぶのが最適かと思います。2人プレーだとお互いが設問を作成して質問し合うことができます。

ツギハギキングダム

ハサミを使ってシートを物理的にカットしていく、キングドミノ系……いえ、カスカディアに似た目標設定のバリエーションがあるゲームです。大変独創的です。

オーディン

スカウトのように手札を育てていける面白いゴーアウトです。難点は、
「(時間調整に)今からオーディンやります」
「(オーディンの祝祭を)今から?」
と誤解されることですね(笑)

馬高(UMATAKA)

ふるさと納税(新潟)で割安に入手できます! ボードを眺めてルールを推理してもらえるぐらいシンプルな内容です。それでいて使うワーカー数が悩ましいワーカープレースメントとなっています。

オーシェミン

校正校閲を担当しました本作。テストプレイはオンラインでしておりまして、アナログでは12月にようやく遊べました。

新しく手に入れた資源からしか使えない、すごろく式のアクションスペースは同じマスに2人入れない、など、古めのユーロのような苦しいインタラクションに、今時な個人目標カードが組み合わさったゲームです。何度も遊びたいです。

説明書は画像が多く読みやすいです。校正エピソードはこちらに。

バラージ デュエル拡張

ラウンドごとに2人用のボードで目標達成しているかの綱引きが発生。目標の中身を見て国と重役をセレクトするのが楽しいのでした。

可愛い賞

ギフトクラフト

ドラフトして資源を集めてうまく得点化、1ラウンドで終わり手軽です。資源アイコンの数とか種類が、同人の原作『エイジオブウィル』から大きく違います。面白さはマシマシ。キャラカードのテキストにユーモアがあふれています。あと可愛いです。

こちらはリメイク元のエイジオブウィル

爆笑賞

ギャングオブダイス

バーストする条件を満たさないように、自分で個数を決めてダイスを振り、より高い合計値を競う、良いクニツィアです。ある人が最後手番で、その人に手番が来るまでに他プレイヤー全員バーストして脱落という笑える場面も2回見ました。

外資系コンサルが教える一夜漬けスーパープレゼンテーション

ゲーム自体は数字の昇順に気をつけるシンプルなセットコレクションです。しかし何より、スライドカードに書かれた小ネタが笑えすぎます。
宇宙人相手の需要は未知数なので市場を広げよう!
既存社員をAIに置き換えて人件費節約!

以上、お読みいただきありがとうございました。

以下、振り返りと来年の抱負ですので雑談です。

ここから先は

251字
7人以上のライターが月に1本以上、書いています。是非、チェックしてください。

アナログゲームマガジン

¥500 / 月 初月無料

あなたの世界を広げる『アナログゲームマガジン』は月額500円(初月無料)のサブスクリプション型ウェブマガジンです。 ボードゲーム、マーダー…

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?