【全文無料】ゲームマーケット初出展体験・制作秘話
『アナログゲームマガジン』に連載している『ゲームのルールの伝言ゲーム』、番外編です。約6,200字です。
『オーシェミン』についての二回目は、クオリティアップのため10月を予定しています。
この度、9/21・22に開催されたゲームマーケット京まふにて、自作本を引っさげて出展者デビューを果たしましたので、そのレポートを書きました。全文公開です。この機に『アナログゲームマガジン』にご興味を持っていただければ幸いです。
【筆者の属性】
【出展のきっかけ】
以下のような条件が揃ったため申し込みました。
紹介した本の通りに作ると、adobe製品に頼らずに本文・表紙両方を作成できます!
製作秘話あれこれ
【制作にあたって参考にした本】
『文章系同人誌のための同人誌製作技術 レイアウト篇 Ver.2022』(以下、『レイアウト篇』)
『文章系同人誌のための同人誌製作技術 DTP篇 Ver.2022』
それぞれ1,650円で買える、A4・170ページの中にすごいノウハウを詰め込んである素晴らしい本です。
レイアウト篇ではフォント論、段組みの工夫など、垢抜けるためのテクニックが役立ちました。DTP篇は、パワーポイントの制作に対応した内容ではありませんでしたが、PDF化ソフトの比較が非常に実用的でした。ここで薦められていた「瞬簡PDF作成」を買いました。
【主な製作ツール】
パワーポイント
GoogleスプレッドシートまたはExcel
「瞬簡PDF作成」(サブスクではなく買い切りなので素晴らしいです)
高額なadobe税というものを回避しました。
【レイアウトについて】
まず、紙面サイズとページの基本レイアウトについて悩みました。
A4は大きすぎます。大きな図表の配置と印刷コストを考えてB5にしました。すると、段組なしでは一行が長すぎます。
かといって真ん中でタテに真っ二つにすると、文字が多いページでは違和感があります。
この本は、noteの連載でたくさんURLリンクを埋め込んでいるように、注釈が多い内容になりそうです。
『レイアウト篇』を参考に、下の画像のように、注釈をページ右に寄せて本文を分ける形にしました。
見やすく、安っぽくない、素人っぽくないレイアウトを目指しました。
17万字以上で、軽く200ページを超える本なのです。パッと見も、実際読み始めても「読みやすい」と思われなければいけません。
本屋で本文モノクロの書籍のレイアウトを勉強しました。
白背景と黒字だけでは単調です。『レイアウト篇』で、平網(noteの引用のようなグレー背景)であれば文字を載せて印刷してもキレイな出来栄えだと知り、大活用しました。
大見出しの枠のデザインは本を参考にして、スライド用のフリー素材を使いました。
小見出しは行頭に「●」を入れる等工夫するか迷いましたが、見出しが多いとくどくなるため、基本的に大きな太字のみで対応しました。フォントが本文と違うため、しっかり区分できています。
太字について、Officeの都合か、UDフォントのBoldがうまくインストールできませんでした。本来望ましい形ではありませんが、Office機能の「B」を使っています。
使用しているUD明朝が太字でも目立たないため、下線を引くことにしました。「Ctrl+U」では文字に線がかぶってしまうため、手書きマーカーに似た線を図形として配置しています。
表紙デザインは、ぶっちゃけて言いますと、かんなべ/かずラ氏のnote『かっこよさを捨てて文章系同人誌をデザインする』を、ちょっと……いえ、かなり参考にしました。
裏表紙はみさき工房さんの『錬金術師たちがボードゲームをつくるようです』を参考に、目次を載せてみました。
フォントは、『文章系…』と『PowerPointで同人誌を作ろう!』の二冊を参考に選定しました。よく使う本文・見出しはUD(ユニバーサルデザイン)フォントを、インパクトを狙うタイトルは評判の良い「源瑛エムゴ」を使いました。
【スケジュール】
制作工程は下記の通りです。
2024年6月1日、余裕を持ったスケジュールでOffice365の契約と製作作業を開始しました。しかし、土日祝休みにアナログゲームをしっかり遊んでいること、レイアウトへのこだわりが強いことから、やや直前での完成となりました。
デジタルゲームは控えたのですが……。
最終入稿後すぐ、人生初?のコロナ陽性になりました……タイミングばっちりですね。
【気をつけたこと】
noteよりも広範囲の方の目に触れることになります。名だたるサークルや企業の方の手に渡るやもしれません。
著作権・肖像権的に怪しい箇所は修正し、引用の表記を強化しました。親告罪であるため、特に国内の権利関係は気をつけました。そのため、英語版説明書を利用することも……。
なお、商業説明書への辛口コメントは直していません!
【テスト印刷】
せっかくの本です、ぶっつけ本番とはいきません。割高となりますが、2度、印刷所に若干数を依頼し、テストしました。
紙で校正・推敲したいですし、文字の印刷、色の加減が気になったためです。
表紙や本文の用紙を替えて、2パターンを比べました。
校正されて気付いたのは、自分の作品を客観的に読みづらく、特にフカンした視点での批評は難しいということです。
おかげで、校正後、記事の順番を大幅に見直すことになりました……章立てした上で記事を分類。
すると通常の本のように、見開きのどこかに章タイトルを入れたくなり、全ページを見直しました。
【トラブル】
本にするためのPDF化で問題が起きます。何故かズームして崩れる画像、執筆時には次の行になっていなかった部分が改行されページレイアウトが崩れる、PDF化ソフトが上手く動かない……などなど。
最後の点、ソフトは悪くありませんでしたが、深夜に数時間格闘することに。最初のエラーで壊れたデータがソフト内部にスタックしていたみたいで、パソコン再起動でなんとかなりました。
PDFの状態での最終チェックを心がけました。
目指せ爆売れ!
さて、ここまでが創作、ここからは頒布にあたってのあれこれです。
【価格・印刷数】
印刷所の自動見積もりを繰り返し、
価格は早々に決めていました。
本で3,000円を超えたらだめでしょう、お釣りを楽にしたい、試しに買って読んでみたい価格にしよう、じゃあ2,000円だ、と。
間を取って値段が2,500円だとどうだったのかどうかはさておき……
説明書の難しさと校正料金をご存知で、内容に価値を感じる製作者の方々には、高くても売れるかもしれません。
それでも、なるべく多くの読み手のお役に立ちたいという意味合いの値段です。
マーケティング的には、商業を含め類似品が少ない「アナログゲームの説明書」についての本であることから、需要はあると踏んで多めに発注しました。
こういった同人誌がまったくないわけではありません。家に一冊以上持っていますが、やや抽象的な内容に留まっていました。
ただし、初の京都での開催、共催。全く読めない客層と客入りでした。
ロングテール狙いですのでやや強気の発注数にしました、
値段が一番変わる要素は、発注数よりも何日前に入稿・入金するかでした。計画性が大事です。
足りなくなれば様子見で50部ずつ増刷というアイデアをくれた、マガジン仲間のイズミさんには大変感謝です。一気にドカーンと発注するところでした。
【広報と宣伝について】
出展が決まってすぐ、X(ツイッター)のサークルアカウントを作りました。普段のアカウントは雑多な話題なため、そこに混ぜると読まれなくなります。
同じくゲムマ京都に出展の決まったサークルを検索しフォローしました。
ブースカットはシンプルかつ大きな文字で目立つようにしました。モノクロにしても読みやすいです。
宣伝を載せる固定ポストを作り、定期的にXとゲームマーケットブログで告知しました。
公式タグらしき「#ゲームマーケット2024京都in京まふ」というハッシュタグを検索用につけます。残念ながらハッシュタグは各サークルで統一されず、複数乱立してしましたね……。
noteの無料公開分を反映した、本の無料サンプルPDFを作成、noteにて公開しました。
当日掲示用に作成したポスターのデータもポストしてアピールしました。
【反省点】
ホテルを早めにおさえましょう!
会場近くは相場が高く、さらに9/21〜23はシルバーウィークなのでとても高くつきました……。
慌てて予約したところ、バスタブのない外国の方向けの部屋を予約してしまい、「命の洗濯」ができない状況に。特に足の疲労が取れませんでした……。
申込時にホテルを予約し、落選したらキャンセルすれば良いのです。
【前日】
当日の開場が9時と早いため、前日午後からブースの準備ができました。
ゲムマ前日に全冊を印刷所から宅配搬入するというドキドキ感を味わいました。午前指定したのに16時に届きました……危うく午後すぐに作業を開始して計画倒れになるところでした。
ブースレイアウトはよそを参考に、シンプルなA3ポスターを吊り下げました。
評判の良い『PO.SU.TA』は高く、Amazonで安いのを。
無料サンプルを印刷した見本を用意しましたが、無駄になりました。商品のうち一冊を見本にしたためです。
耐火布は面倒で用意しませんでした。
【運営さんに一言】
前日から準備できるというような出展者向けの情報について、申込時には見れましたが、その後どこかのタイミングで公式ページから見れなくなっていました。そのため、某サークルさんが質問ポストを投げかけていました。
自分は運良く申込時の内容をスクショ保存していて認識していたため、前日入り前提のスケジュールを組んでいたのです。
そういったブース準備の情報を含む「出展者の手引き」の開示が遅れていたように思います。
自分の場合、9月頭まで開示されなかったため宅配搬入期間がわからず、やきもきしました。
お願いした印刷所が、一度発注すると納品日を前倒しにできないためです。
結局、見切り発注しました。
こういった点で、重要な部分のみで良いので適宜情報開示をし、また情報開示のスケジュール感も予告して出展者様方の不安を解消できるよう、次回以降お願いしたいところです。
【当日】
開場時にドッと入ってこなくて焦りました。時間帯別の整理券システムのためです。また、中古ゲームのブースがなく、予約さえしていれば一番乗りの原動力がないのかもしれません。
時間帯別整理券のメリットとして、暇な時間がありませんでした。毎ウェーブ平均してお客様がいます。一人ずつのお客様にしっかり対応できました。
デメリットとして、会場入りはできても整理券が得られずゲームマーケットには入れないという悲劇が生まれていました。両日とも、整理券は午前中に全てなくなっています。
整理券については公式サイト等で告知はされていましたが、知らない方も多かったようです。カタログを事前に販売していないので、まとまった情報として目に触れる機会が少なかったかもしれません。
もう少し整理券の数を多めにし、最後の時間帯は整理券なしでも入れるようにするなど、工夫が欲しかったですね。
さて、進言はここまでです。
頒布にあたって、見本用の一冊が大活躍しました。百聞は一見に如かず、です。
ブースでは裏表紙を見せることで開かなくても目次が見れるようにしました。が、机に平置きしていると文字が大きくないので読みづらく、結局は見本を開いて確認される方が多かったです。
きちんと具体的な質問も来るのでしっかり対応します。
当日は売り口上をその場で決め、スタッフのクロイ氏にも口伝しました。
本については予想通り出展者様に刺さったようです。頒布できた数の体感3割以上が出展者様または制作に関わっている方でした。
2,3度質問を受けたため、会場でpaypayに登録しました。
重い・本棚スペースの問題を理由に、電子書籍の希望もありましたのですぐBOOTHで対応しました(元々非公開で商品ページを作ってはあったのです)。
【人生初・通販】
Xとゲムマブログにて宣伝したところBOOTHでも意外なほど売れました。
しかし梱包が大変でした。700グラム弱ある、重い本ですから、簡単な防御では本の角がボロボロになりかねません。
梱包手順
クリックポストは、185円と安く、宛先を手書きせずに済み、ポスト投函可能です。
住所はcsvダウンロードからちょちょっと編集して取り込めば楽…のはずがエラーで1件1件PDFをダウンロードして印刷する事態に。クロームの拡張機能(adobe)をオフにしましょう(1敗)。
投函可能なのは良いのですが、注文が多すぎました。
クリックポストは集荷が依頼できません。近隣のポスト3つをハシゴしてきました……。
【儲かったの?】
京都分の費用は回収できています!
個人的には満足できる売上でした。執筆の人件費は絶対に回収できません(笑) 自宅への着払い費用が高額だったのは誤算ですね……
さて、何冊を11/16からの東京のために用意しましょうか……
【お客様からの感想】
読んだ方から、「狂気に近いゲーム愛」というコメントもいただきました。
純愛だよ(『劇場版 呪術廻戦』風に)
購入ポストを見かければ全てお礼の返信をしました。リポストが多いとフォロワーさんのご負担になる、リポストをオフにされてしまうため、厳選しました。
名だたる方とブースでお話でき、また購入ポストもお見かけしました。大変嬉しいことです。
【おわりに】
この記事のやり方を真似して良いので、第2の説明書指南書を是非誰か作ってください!
最後までお読みいただきありがとうございます。
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