『Baladerie』の説明書はどう変わっていったのか その1(ゲームのルールの伝言ゲーム)
こちらはアナログゲームマガジンの連載「ゲームのルールの伝言ゲーム」の34回目、途中まで無料で読めます。文字数は約4,500字です。
かなり久しぶりに、クレジットに載る仕事をしました。説明書のチェックに初稿から携わりました。製作元締めのSuiさんの許可を得て、説明書の校閲と変化について書いていきます。
簡単に馴れ初め
X(Twitter)上のコミュニティ「説明書について考える」を立ち上げたのがSuiさんです。自分はメンバーです、があまり貢献していません……
23年4月
『RATORO』の説明書について校閲を募るポストがありましたので賛同。読んだところ、デザイン性抜群な説明書ではあるものの、読み解くのに苦労する箇所が。いきなり約2,000字の校正校閲を送ってしまいました。
一つ目の指摘について。『「分かりやすい文章」の技術』の著者、藤沢 晃治氏はこう述べています。
要は、書き手が内容を整理・工夫して書かないと、情報が分けられていないため読み手には伝わりにくくなってしまうのです。サマリーがないのであれば、一見で分かるように。suiさんの扱うゲームはいずれも、システムに個性があるので注意が必要です。
2点目の詳細は後述します。
23年4月末
suiさんの次の作品、『ESOTERIC』も説明書を読みました。
1点目は、説明書には「ピースを1つ得ることが出来る」と書いてありました。資源をたくさん支払えるプレイヤーがいたとしたら、一度に2つ以上得たくなるでしょう。ルールで規定されているかを確認しました。
同様に2点目は、意味がない資源の支払いはしないはずですが、ルールに書いていないと困る、ということです。
話を戻します。
23年12月
本作、『Baladerie』の校正校閲の依頼がありました。即答で引き受けました。是非、ゲームマーケット界隈に貢献したいと思っていたからです。
以下は、チェック時の心構えとどんな指摘をしたのか、になります。
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