『Baladerie』の説明書はどう変わっていったのか その2(ゲームのルールの伝言ゲーム)
こちらはアナログゲームマガジンの連載「ゲームのルールの伝言ゲーム」の35回目、途中まで無料で読めます。文字数は約5,000字です。
前回の続きです!
気を付けて読んだ箇所 続き
キ 主語と述語は近づける、修飾語と被修飾語は近づける
意識しないでいると書いてしまうのが、
「少し●●コマ同士を離して置きます」というような文章です。
「少し」が何を修飾している言葉なのか、すぐには分からなくて違和感があります。
「●●コマ同士を少し離して置きます」と直すと良いです。
主語と述語の例文はこちらから。
とても酷い。主語の問題もありますが、まず「、」がどこにもない、とツッコミを入れたくなります。読点がないと、文をどこで区切って意味をまとめるのか分からなくなります。
アナログゲームは何かを操作する文なので、読み手に「何か」を素早く伝えるため、文の始めに主語を持っていきたくなります。
「●●カードを、人数ごとに均等になるように配ります」のように。
この文はまだ良いのですが、もう少し文が長いと、どうでしょう。
「●●カードを、人数ごとに均等になるように、ランダムな面を上にして全て配ります」
主語と述語が離れるほど、違和感があります。この文の長さぐらいが限界ではないでしょうか。私の場合は早々に述語に近づけてしまいます。
ク 省略可能な箇所は省略し、まとめる
初稿でこういったページがありました。
AとBで1段落目と2段落目が重複しており、スッキリさせなければいけません。
移動させると報酬がもらえる→Aの場合、Bの場合、という構成だったものを、重複している1段落目と2段落目を書いた後に、AとBに分岐する形にしました。
いくつかの違う説明にほぼ同じ文を載せてしまう例は、丁寧に説明をしようとする説明書で見られます。
誤解が生まれにくい「正しい」文章である一方、次のようなデメリットがあります。
「また」や「その後」という、時に省略できる表記が多いと冗長になります。アナログゲームにおいては順を追って追加の説明があり
、時間軸的にも一文後ろが「その後」の記述であることが自然だからです。
ただ、「ただし」や「しかし」というような逆接の接続詞は、省略すると意味が通じにくくなるので注意します。
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