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説明書はそのまま読み上げられるのか?(ゲームのルールの伝言ゲーム)
こちらはアナログゲームマガジンの連載「ゲームのルールの伝言ゲーム」の23回目、途中から有料となります。文字数は約5,800字です。
はじめに(脱線)
リーディングスキルテストの結果が出ました。推論◎、係り受け△でした。ゲームのルールをいつも推論してるんでしょう…… https://t.co/ccQjYgUYW6 pic.twitter.com/ozceVpwGYz
— うめゆめほこ (@umeyun) February 25, 2023
読解力を計るRST(リーディングスキルテスト)の結果が出ました。
一番偏差値が高かったのは、「推論(既存の知識と新しく得た知識から、論理的に判断する)」の74。
説明書の記述だけで、遊んだことないゲームのルールや遊ぶ光景を補足・想像しているからでしょうか。
偏差値50切りが危うかったのが係り受け(文の構造把握)。確かに自分は、図表が多くて、長い段落がなく、色変えや太字などメリハリがついていて、ささっと読める「わかりやすい」本を優先して読んでいます。
以前の記事にも書いた通り、RSTはあえて長文で、やや分かりにくい問題にしています。なので、読みにくい文、サッと読めない文、長い文は慣れてないのでしょう。
※アナログゲームの説明書はどんなのでもある程度読みます。
何回も受けるものじゃない、と公式に書かれていましたが、また受けたいものです。問題によって偏差値が変動しやすいようですし。
余談ですが、この試験、企業の採用や考課には使われているのですが、「RST」で検索すると、災害防止に関する別の講座が出てきます。フルネームは長いし、検索性悪し。
説明書の記載順と、ルール説明の順序について
最近読み返したものだと、「リトルタウンビルダーズ(アークライト社版)」の説明書が素敵でした。
ゲムマカタログでいう「刈谷式」の刈谷圭司さんが手がけた説明書です。
まず、ラウンド進行・ゲームの流れが冒頭に大きな文字で提示されます。
その後も、イラストが豊富で、余白と行間も豊富で、文字は大きく、図例もちゃんとしています。説明書の裏がルールサマリーです。
遊ぶ敷居をたいへん低くしています。
ルールがシンプルなゲームですが、それに甘んじず工夫が凝らされていると感じます。B6サイズ24ページの力作です。
さて本題です。自分がルール説明をする際、そのゲームの説明書を、そのままの順番と内容で話すのか。説明書を事前に読んで理解している前提で、です。
私のルール説明は、こう、と決めているわけではないです。ただ、パターンがあります。説明書に依存せずに、えいや、っと説明を始めてしまいます。そして、説明書を適宜開いて確認。
どんなゲーム・説明書でも以下のような流れです。
1.先にゲームの準備をある程度済ませておく。
ゲーム進行中にランダムに出てくるもの・プレイヤーが選択するものは、あとで内容を説明するのでシャッフルしない。
2.勝利条件(目的)
どういった終了条件・勝利条件で、どんな得点計算をするのか、ざっくり
3.ゲームの概要(大枠)
4.枠(フローチャート的な流れの説明)
5.枠の中身(アクションの詳細など)
6.枠のすみっこ(補足と例外、よく発生するものだけ)ぐらし
7.ゲームの終了、得点計算
具体的に、最近ルールを読んだ、または説明したゲームの説明書について考えてみます。
リトルタウンビルダーズ
上述の通り、わかりやすい説明書です。そのまま読み上げて説明しても問題ないぐらいです。
あえて改善点を挙げると、次の2点です。
1.冒頭のゲームの流れで、「手番が来たら『労働』か『建築』を行う」とありますが、「ワーカーコマ1つを使って」と書いてあると、初心者により易しいです。
2.建物タイルの効果と、目標カードの少し分かりにくい内容については説明書の最後に書いてある(説明する)、と書いてあると良いです。
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