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麻雀初心者が入門書8冊+αを読み比べてみた ③ ~ゲームを楽しむために「しぼる」こと~ :ゲームのルールの伝言ゲーム
こちらはアナログゲームマガジンの連載「ゲームのルールの伝言ゲーム」の13回目、本文途中から有料となります。文字数は約5,500字です。
はじめに
「手放せないもの」特集に記事を書きました。他の方の記事も是非お読みください。
「しぼる」ルール
さて、ルールの多い麻雀というゲームの説明書を、何冊も読んできました。前々回は麻雀本それぞれの感想、前回は構成や「ゲーム概要」について書きました。
今回は別の視点です。
麻雀などの、ルールが複雑だったり多かったりするゲームについて、初心者にどうアプローチし、負担を減らして楽しく遊んでもらうか、について書いていきます。
そのキーワードを先に一言で述べると、ルールを「しぼる」ことだと考えます。
麻雀本の一部では、次のような内容が書かれていました。
・牌7枚で遊ぶ「7枚麻雀」(本来のゲームでは13枚)
(『マンガでわかる!東大式麻雀入門』)
・項目ごとの重要度表示
(『これから始めてみたい人のための楽しく打てる麻雀入門』)
・役ごとの難易度表示
(半分ぐらいの本で表記あり)
・初心者向けおすすめ役や「よくできる役」の紹介
(3冊ほどで見られた)
・おすすめプレースタイルYes No診断
(『夜桜たまがマンガで教える麻雀入門』)
・アドバイス(多くの本にて)
どうでしょう。ルールについて、何かしら「しぼられて」いませんか。
他のアナログゲーム例も挙げて、4つに分類してみました。
①初心者用にルール量を「しぼる」
井出洋介氏の本で紹介されている「7枚麻雀」は、アタマ1つとメンツ2つ、計8枚の組み合わせであがることを目指す、簡易ルールです。
人の捨てた牌に対して、ポンやチーで鳴くことはできず、基本的にはツモあがり。役もなく、「あがる組み合わせを自力でそろえる」ことに重点を置いています。
「あがる組み合わせを自力でそろえる」ために工夫することは、麻雀を遊ぶ上での基本です。
麻雀はルールがかなり多いゲームです。一気に覚えることも簡単ではなく、また、覚えたルールを使いこなして遊ぶことも容易ではないでしょう。
その中で、「まずはどのルールを理解して使いこなしてほしいのか」を明確にする。初心者向けに、そのルールを中心としたルール量にしぼってしまうのです。
前回の記事で、ゲームの構造・枠組みを先に理解してもらい、その後、枠の中身を埋めるように理解してもらう、と書きました。
そこでは大きな枠から理解するのが大事でしたが、ここでは逆に、肝となるルールという小さい枠から理解することになります。
本文の先の流れも含みますが、下図のようになると思います。
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他のゲームでは、こういった例はあまり見られませんでした。
かなり大胆なアプローチ方法と言えるでしょう。
ここから先は
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