バカの壁
【養老孟司のバカの壁】
自覚を学んでいる人のオススメで
ちょっと前に知った本。
図書館で借りてきた。
文章がわかりやすく
読みやすい。
この本の中に下記の文章がある。
__________
「自己の情報化」
生き物というのは、
どんどん変化していくシステムだけれども
情報というのはその中で
止まっているものを指している。
万物は流転するが、
「万物は流転する」という言葉は流転しない。
それはイコール情報が流転しないということなのです。
流転しないものを情報と呼び、
昔の人はそれを錯覚して真理と呼んだ。
真理は動かない、不変だと思っていた。
実はそうではなく、不変なのは情報。
人間は流転する、
ということを意識しなければいけない。
現代社会は「情報化社会」だと言われます。
これは言い換えれば意識中心社会、
脳化社会ということです。
意識中心、というのはどういうことか。
実際には日々刻々と変化している生き物である自分自身が、「情報」と化してしまっている状態を指します。
意識は自己同一性を追求するから、
「昨日の私と今日の私は同じ」「私は私」と言い続けます。
これが近代的個人の発生です。
近代的個人というのは、
つまり己を情報だと規定すること。
本当は常に変化=流転していて生老病死を抱えているのに、
「私は私」と同一性を主張したとたんに
自分自身が不変の情報と化してしまう。
だからこそ人は「個性」を主張するのです。
自分には変わらない特性がある、
それは明日も明後日も変わらない。
その思い込みがなくては
「個性は存在する」と言えないはずです。
__________
バカの壁とは、
自分が知りたくないことについては自主的に情報を遮断してしまっている。
ここにバカの壁が存在する。
” 本当は何もわかっていない ” のに
わかっていると思い込んでいること、
” 何もわかってないということがわかってない ” こと。
とても勉強になる本だった。
(2023.9.27)
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