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素晴らしき哉、サントラ11:『刑事ジョン・ルーサー SEASON1』寂しい曲の集合体
またしれっと再開。今回は今までのと若干紹介の仕方が違うのですが、それはCDが手元にないから。作品は、イギリスのドラマ、『刑事ジョン・ルーサー』です。
コレは、日本では最初NHKで放映され、そのあとAXNミステリーでも放映されたのかな、逆だったら失礼。イドリス・エルバという渋いイギリス出身の俳優さんが刑事を演じる、サイコサスペンス・ミステリー(とうぃきさんにある)。めちゃ渋おじさんでステキ♡が、意外に『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党集結』(このタイトル、笑)とか、『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』とかの大味系映画にも呼ばれて出てるんですね。
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このドラマ全体が、ロンドンの陰鬱な空や寒そうな風景の中で撮影されていて、ずーーーーっと「寂しい」が通奏低音のように付きまとっているのですが、映像の寂しさをさらに音楽が増幅してる!
初めはサントラがあればすぐ買お、とか思っていたのに、すぐに手に入るようなものが見つからず、ネットで色々調べてなんとか使われていた曲をいくつか発掘。なのでCDの写真などナシなのです。
現在はSEASON5近くまであるみたいだけど、膨大になるのでとりあえずSEASON1のみで。
なにしろオープニングの曲からなんか寂しい……と調べたら、やはり、のマッシヴ・アタックだった。曲は『Paradise Circus』。
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他のページでも書いてますが、個人的にマッシヴ・アタックの曲にドハマりすることが多く、このドラマの時も彼らの曲だと知らずに聞いていて、コレは好きな系統だな~と思っていたらそうだった。イントロのエレピっぽい音と女性ボーカルがつぶやくように歌っているけだるい声が、気持ちいいし寂しい。歌詞の内容はまた結構解釈が難しいようですが、ここではあくまで耳で聴いた印象のみ、で言ってます。
次は、Emiliana Torrini(エミリアナ・トリーニ)という女性ボーカルの『Gun』。アルバムは『Me and Armini』。
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おおー、アイスランド出身の人だった。曲だけでしか聞いていずバックグラウンドをあまり調べていないため、改めて調べると新鮮な感動がありますね。これもずっとギターのリズムに合わせて、彼女の透明感があり、ちょっとシャーマンチックな声が乗る、曲としては淡々とした構成だけど(ただ後半に向けて徐々にパワフルになってく)めちゃくちゃクセになる曲。
彼女はなんと、映画の『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』のエンディングテーマを歌ってた! しかもビョークの代役だったとか。なるほど、確かに声も雰囲気も近いですが、この人の声もとてもいいです。
そして、Sia。
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Siaの『Breathe Me』という曲もエピソードが5に使われてる。コレもピアノの伴奏が冷たくて歌詞の内容も寂しい。こんなに寂しい曲集に合う曲があるなんて!という印象。Siaの声が好きなので、使われてて嬉しい。
女性声の寂しい曲だけでなく、こんなのも使われてます。
なんとTears for Fears!の『Mad World』。1983年のアルバム『The Hurting 』の収録曲です。え、『Shout』のヒットより前のアルバムなんだ。
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淡々としたリズムが刻まれる上に、メジャー調ともマイナー調ともいえないような浮遊感のある(一応マイナーに落ち着くかな)メロディーがリピートされる。歌詞も子供が行き惑ってるような内容で、やっぱり明るい曲とはいえないです。
それからヒューマン・リーグの『Don't You Want Me』、1981年!。
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ヒューマン・リーグ自体に特に思い入れはないのですが、曲は知ってました。曲自体は明るいし決して寂しい曲ではないんだけど、一定年代より上にとっては、ドラマを見ていてほとんど懐メロを聞いてやるせない気分になる、それが寂しさにつながる……という側面もあり。
そしてコレ、Beckの『Everybody's Gotta Learn Sometimes』!
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これもまさに個人的に大好きな、気怠い、寂しい、ちょっと懐かしさがあってトリップする、が揃ってる。いやーほんと、音楽を担当してる人のセンスが素晴らしい。(いや、誰が最終的に決めてるのかわからないけど)。
ロンドンの陰鬱な(悪い意味ではないんです、どよんとした曇り空と石の街並み)風景にどの曲もホントにぴったり合ってる、と思う。コレは他シーズンの曲もかなりよさげなので、時間かかりそうだけどチェックしてみようと思います。だるくて暗くて淡々としてて……という曲が好きな人には好きなラインナップなのでは、と思います。話もシーズン2まではしっかり見てるけど、そのあとが追いかけきれてないので、そっちも追いたいです。