エッセイを読む人生がいい
自営業15年目に突入しました。一人で営んでいる鍼灸院。経営の「け」も知らないところからのスタートでした。
鍼灸師であると同時に経営者になったのですが、開院すれば勝手に患者さんが来てくれるだろうとなんの疑いもなく思っていたのだから幸せ者です。いや、おバカです。
集客、リピート、心理学、自己啓発、ビジネス書。
その類の本を読む日々が始まりました。生きるための必死の読書です。おかげで今でも書店に行けば、足が勝手にビジネス書コーナーへ向かう体に仕上がりました。
読書は投資。
読書ほど安い自己投資はない。本当にそうだと思います。ただ、ビジネス書やノウハウ本の類は、どんなに知識を得ようとも僕自身が動かなければ何も変化は起こらないのです。当たり前ですけど。
読んだら行動、いや読みながら熱いうちに行動。そうやって、学ぶための読書ばかりしてきました。そして疲れました。ノウハウ本、経営に関する書籍を追いかければキリがありません。次から次へと自分のために書かれていると思ってしまうタイトルが毎日のように新刊コーナーに並びます。
いつしかエッセイを読むようになりました。学ぶための読書から離れたくなったからです。自分の知らない作家のエッセイを読んだとき、その人の日常と、感じたこと考えたことに触れたとき、これってめちゃくちゃ「余裕のある時間」だなって思ったんです。
自分のことを余裕のある人間だと思えてうれしくなりました。
ビジネス書の対極にあるエッセイ。僕は心に余裕を持ちたかったのだと思います。
ユーモア溢れる文章をにっこりしながら読む。これは紛れもなくやさしい時間です。エッセイを読むことは僕にとって癒しでもあります。もっと早く気づけば良かったなあ。