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『JFK Memento』 & 『Surviving 9/11』
Immersive DocumentaryをてがけるTARGOの過去作を体験したのでメモ。
JFK Memento
こちらはジョン・F・ケネディ暗殺事件の60年の節目に開発されたVRドキュメンタリー作品。6月にLAで行われていたAWE USAにてBest Filmを受賞したということで慌てて体験した。Mr. トランプが暗殺未遂にあったことも含めると、いま体験しておくべき作品ではないか。
🏆 Our film 'JFK Memento' won the Auggie Award for Best Film at AWE!
— TARGO (@targostories) June 20, 2024
Thank you to the jury and everyone who voted for our film. Being recognized by our peers for our innovations at the most prestigious immersive conference is a true honor! pic.twitter.com/tV5nslJ3uR
作品はMeta Questプラットフォームにて体験可能でDL販売中。
ちなみに、日本もそんなに少なくないのだな…。
概要
ドキュメンタリーは40分程度。5章に分かれていて、地元のジャーナリスト、リー・ハーヴェイ・オズワルドの妻の友人、捜査を担当したダラス市警の元警官等のインタビュー等を通じて、事件の真相に迫っていく。
リマスターされたアーカイブ映像や写真にAIによって奥行きを加えた素材、事件現場の3Dモデルも駆使しながら当時の景色を再構成。暗殺事件の舞台となったテキサス州ダラスの市内パレード、狙撃犯が潜伏していたとされる教科書倉庫ビルの捜査に、自分がまるで立ち会っているかのような体験だ。
尚、具体的な制作プロセスは監督自身によって語られていて、とても参考になる。
自分はQuest3にて体験したが、トレイラーと比較すると3DCGのパートの解像度が低く、没入感は今ひとつ。実写に奥行きを加えた映像の方が有効に機能していたように思うが、このあたりは機材の進化や制作ワークフローの洗練にて早晩問題ではなくなる部分だろう。
知られざる陰謀?
事件の真相への肉薄具合はどうか?尺の問題もあるとは思うが、ケビン・コスナー主演『JFK』や、オリバー・ストーン監督の『JFK/新証言 知られざる陰謀』などと比べると、さすがにそこまでは踏み込んではいない(単独犯行が難しかったのでは?という所までは触れていたが、銃弾の軌道の解析などは割愛されていた)。VRドキュメンタリーはイマーシブで説得力がパワフルということもあり、容易に陰謀論につながっていってしまうという倫理的配慮もあったりするのだろうか。
Surviving 9/11
気になってもう1作体験。こちらは9/11において最後に発見された生存者へのインタビューを通じて、ツインタワー内部の視点から事件が語られるもの。
窓の外に大量の書類が舞っているところから異変に気づき、テレビのニュースで飛行機がビルにぶつかったことを知るという流れは恐怖の一言。こちらは20分くらいの作品だが、360度映像などもうまく使いながら、臨場感ある体験に仕上がっている。
Immersive Storytelling
イマーシブメディアやイマーシブストーリテリングといった手法は今後も広がっていくだろう。
イマーシブメディアにおける「イマーシブ(immersive)」は、没入感を意味する言葉。目の前に存在しないものを現実で体験しているかのような「没入感」のある、インタラクティブな体験を提供するメディアを、「イマーシブメディア」と呼びます。
NY Timesなどは何年か前からこのあたり取り組んでいるように思うが、AppleがImmersive Videoを次々と発表しているように、ニュースやドキュメンタリー以外の分野への広がりも楽しみだ。