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生成AIを活用して、マネジメント力を試す取組を行ってみる
目黒区企画経営課の下田です。
生成AIの試行実施の取組を始めて、もうすぐ1ヶ月が経とうとしています。
企画経営課の職員にも生成AIを積極的に使用するように勧めていますが、なにか効果的な取組はできないものかと考え、生成AIによる文書作成コンペを行う事を思いつきました。
1.生成AIコンペの概要
概要はこんな感じです。
コンペに参加する職員が、生成AIを使って業務で必要な資料を作成する。
課長が資料を評価し、コンペ参加者にフィードバックする。
職員が自分のプロンプトを参加者内で共有し、ポイントを説明する。
職員が評価とプロンプトを比較し、課長の評価傾向と成功/失敗の要因を研究する。
おおむね8月の半ばからコンペをはじめており、9月にはすべての結果が出揃う予定です。
2.コンペ実施の背景:生成AIとマネジメント
生成AIを活用するためということで企画したものですが、別の狙いもありました。
生成AIが登場して、それがどういうものかを学ぶにつれ、私の中では生成AIがマネジメントの力量を問うツールに見えるようになってきました。
マネジメントに必要な要素の1つに「的確な指示が出せる」というのがあると思います。
私は、社会人となってから、いくつかの会社で、色々な上司の方の下で働いてきましたが、「背景や意図が明確で、重要となるポイントも明示されている」指示を受けたということは、ほとんどないような気がしています(これを読んだ歴代上司の方、ごめんなさい!)。
「あの件だけど、いいかんじでやっといて」みたいな指示が大半だったのではないかと。
おことわりしておきますが、昔の上司の方々を非難するつもりは毛頭ありません!
なんなら、自分も明快な指示を求めていたかというと、そんなこともなく、「さて、どうしたものかな」と試行錯誤から始めるものだと思っていました。
ただ、今はそれで通用する時代ではありません。そんな人材育成では、誰もついてこないでしょう。
「背景や意図が明確で、重要となるポイントも明示されている」指示、がマネジメント層には求められていると思います。
時代どうこうというより、極めて当たり前のことなのだろうと思いますが・・・。
特に、生成AIとなると、「あの件だけど、いいかんじでやっといて」なんて指示は絶対に通用しません。
なので、あいまいな指示しかできない人は、生成AIを使いこなすことはできないでしょう。
いわんや人間(に対する指示)をや、です。
指示もさることながら、成果物に対する評価も同じことが言えるのではないかと思います。
一生懸命指示された資料を作って上司に見せても、「なんとなく違うんだよな」っていうような反応で、何をどう直したらいいのかよくわからない、ということも何度も経験しました。
マネジメントを切り口にしていますので、上司側の課題を中心に取り上げていますが、部下側の課題ももちろんありますし、上司側も“あえて”やっている部分もあるという事も認識しております!
「的確な指示を出す」というのは、「自分の考えを整理して言語化できる」という事なのだと思っています。そうした力は誰しもに必要とされるものですが、特にマネジメント層には求められるという事です。
生成AIは、まさに言語化する力を問うツールなのではないか、と思ったのです。
主目的は生成AIを活用して業務の効率化に活かそう!ということですが、裏テーマとしてそういったことを意識して、コンペを企画しました。
改めて先ほどのルールを見て頂くと、お気づきになる部分があるかもしれません。
3.重要なのは言語化すること:生成AIの登場が問うもの
ネガティブな表現で書いてしまったかもしれませんが、上司(に限らず仕事上の関係者全員に言える)が重要と考えるポイントやその背景・理由を把握しておくと、仕事はとてもスムーズに進みます。
さらに、自分自身がポイントとした部分や自分の思考過程を、自分できちんと理解していれば、なおさらです。
まさに「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」ってやつです。
ただ、彼や己のことを頭でわかっているだけでは不十分です。最終的には、言語化できなければわかっているとは言えません。
生成AIを使うためには、「言語化が必須」なので、まさにその点を突いてきます。
高校生の時、英語の先生が「6割の理解はゼロである」ということを繰り返しおっしゃっていましたが、今になって「ああそういうことか!」と思います。
ちょっと概念的な話になってしまいました。
生成AIの登場により、意外と職員同士の相互理解も進むのではないか、と思っています。
そのためには、使いこなせなければならないのですが。
私も各団体の取組から色々と学ばなければと思っています。
コンペの実施状況については、こちらでもシェアしようと考えています!
今後もよろしくお願いします!
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