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サービス品質を底上げするささやかなUXデザイン
こんにちは、メグリア株式会社のUIデザイナーをしている石井です!
サービスをデザインするにあたり、非常に重要度の高いUXデザイン。UIデザインにおいて、良いUXを提供するには自分自身が体感して気付く必要があるので、普段からWebサービスに触れる時は精察するようにしています。
便利なものが更に便利になる良いUXもありますが、不便なものが不便でなくなることが、ユーザー体験向上に大いに貢献することも少なくありません。
実生活でたとえるなら、求めていたものが手の届く距離にあったり、探しものが整理整頓された引き出しからすぐに見つかったような、楽で喜ばしい瞬間です。(って怠惰なだけですね…笑)
そんな、何気なく私たちの生活を快適にしてくれるUXは普段目にするアプリケーションにたくさん潜んでいます。UIデザイナー視点で感じた"縁の下の力持ち"のようなUXの事例を4つご紹介します!
UX事例①:長押しで2倍速の自由な早送り
動画共有サービスのネイティブアプリで取り入れられている、動画そのものを長押しして2倍速再生できる機能です。
Tiktokが先発の機能で便利だと思って利用していましたがYoutubeでも最近の大幅アップデート(なんと30個の機能・デザイン)で取り入れられました。(夏頃β版で出していたので待ちわびていました!!)
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シークバーで細かく設定することは難しく、かといって再生速度を変えるほどでもないちょっとした早送りが叶います。沢山ショームービーや動画が溢れる中、早く見たいユーザーにとって、慣れてしまえば非常に便利な機能です。まさに痒いところに手が届いたUXだと思います。
なお、現時点では、長時間再生を提供する動画ストリーミングサービスや、X・Instagramなどのプラットフォームではこちらの操作感は実装されていませんが、この2倍速機能はどんどん普遍化していくのではないでしょうか…!
UX事例②:ファビコンやタイトルで状態を知らせる
Chromeなどの検索エンジンで見られるタブに表示されるファビコンやタイトルの切り替わるUIは、便利なUXを提供している一例です。
Toggl Trackという海外の勤怠管理Webサービスの事例を紹介します。
自分の作業時間を管理するために利用しており、作業内容を直感的に入力できたりと愛用しているサービスなのですが、このタイマーがとても可愛く便利なのです。
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タイマーをONすると、タイトルが計測時間に切り替わり、リアルタイムで経過時間が表示され(こちらはタイマー系だとよくある挙動ですね)ファビコンのカラーもアクティブな状態に変わります。
タブ上で時間計測だけでなく、ファビコンでもON/OFFが確認できるUIは、さりげなくユーザー体験を向上している良い例だと感じました。
UX事例③:賢明なタイミングの通知が意欲を高める
多くのアプリから届く通知は、時折ユーザーが切りたくなるほど多いことがありますよね。しかし、適切なタイミングで届く通知は、心地よさになることもあると感じた事例です。
スターバックスのアプリでは、ときたま「お疲れさまです、スターバックスはいかがでしょうか?」という旨のメッセージが届きます。(金曜日の夕方によく届いていたきがしたのですが、届かないこともあるのでこのロジックは不明です…)
私はApple Watchでよく受け取りますが、その通知には、スターバックスのカップを手に持つ店員の写真も添えられています。この通知が届くたびに、週末に近づいていることを思い出し、リラックスできる場所でコーヒーを楽しむことを考えるきっかけとなります。この通知が不快だと思うユーザーはきっといないでしょう✨
喉が渇いたときに水を提供されると気が利くなあと感じるように、ユーザーにとって最適なタイミングでメッセージが表示されることは、ユーザーの意欲を高めるための有力な手段と言えます。
UX事例④:取り消しを取り消す!?
誤って、押したくないボタンをタップやクリックしてしまうことってありませんか?削除したくなかったメールを削除してしまったり、カートに追加したくなかったのに追加してしまったり…
こうしたユーザーエラーを元に戻すためのUIが、近年多くのアプリケーションで見られるようになりました。特に海外産のサービスで見られます。
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特に削除操作に関連するものは、安心感を提供しています。何も考えずに削除操作を実行したときに、表示される「取り消す」ボタンは、誤って削除したデータを簡単に復元できる手助けとなります。機能によっては、ショートカットやアンドゥ機能を使って元に戻すことができない場合もあるのでこのUIは非常に有用です。
誤操作からくるストレスを軽減する重要なデザインの一環と言えるでしょう。
良いUXを発見し続け、サービスづくりに投影したい
普段何気なく触れているサービスから学べることはたくさんあります。またソフトウェア上だけでなく実生活でも気持ちの良いユーザー体験をしてもひらめきがあるかもしれません。小さなユーザー体験がファンになる要因にもなり得ます。
当たり前になりつつある便利な機能は、企業に検証し尽くされた素晴らしいUI/UXです。小さな要素も見逃さずに常々いいところ探しをし、ユーザー体験を向上させるため今後のデザインに投影し続けたいと思います!
ご拝読いただきありがとうございました✨
Ayano / UIデザイナー
1995年生まれ大阪出身、2021年メグリア入社。趣味は食べ歩きと美術館巡りと美容。週3回以上食べ歩く中、最近1番素敵だったお店は「Kabi」です🍷