出航
アートサイト神津島2024、能楽堂での公演から早くも20日ほどが経過していた。いよいよ神津島にてライブ&ツアーパフォーマンスが始まる。
簡単にオープニングパフォーマンスの振り返りでもしようかと思っていたのに、もう随分と日数が経ってしまった。そもそも、オープニングといっているのに、その後に見ることができるパフォーマンスなり展示なりもなく、空白の時間が訪れ、まるで観客は大海に放り出されたような気分になったのではないだろうか。
神津島に挑む参加アーティストたちのパフォーマンスは、まず初めに中野の能楽堂で行われた。
スクリーンが松の木を隠す状態でその前にはVRゴーグルをつけた女性、能楽堂に電子機器装着した女性二人がいる。これだけでも状況はおかしなことになっている。夢でもみているのだろうか。始まる予兆もなく、いつのまにか立ち現れ、舞台にいる人が観ている視界を観客も認識する。
観客は席を移動したり、自由に座ることができる。もちろんずっと同じ席に座って次のパフォーマンスを準備の状況も撤収の状況も含めて眺めることできる。
能の舞台は、演じることも準備も含めて一連の動作を観るのにふさわしい構造になっていると感じる。
出演者は16名。別企画のオル太とスウェーデンのアーティストとのコラボレーションパフォーマンスも入れると、上演時間は合計で4.5時間ほどに及んだ。
長い時間能楽堂にいると、現実離れしてくる。自分が幽霊にでもなったような感覚になった。
ジェット船が欠航し、次の日のジェット船で行くことになった。船が欠航したのが前日で良かった。2年前のSafari Firingでもそうだった。当日入りするイベント。自然の影響をもろに受ける野外パフォーマンス。
無事に船は出航した。
謎に包まれたままにしておくのはもったいない。神津島に行く。神津島でやる。