シャル

#私が服を好きになった理由


「#私が服を好きになった理由」というツイッター上でのリレーブログ。
Atsuya Ikeda(@atsuya2000)さんから深夜のテンションでうっかりバトンを
受け取ってしまいましたので(笑)何か書きます。最初にお伝えしておきますが、服に関する知識はほぼありませんのでその道のプロフェッショナルの方にはくれぐれも生暖かい目で読んで頂きたいです。


誰?

広告代理店にてSPデザイナー11年

レディース向けアパレル販促2年

放浪

現在イラストレーターとして主に女性向けのイラストやデザイン、
書などを提供させて頂いています。


服について

育った場所が児島ということもあり、最初に服として意識したのは
やはり「デニム」でした。
児島では春と秋に「せんいまつり」というイベントがあり、
夢のような価格でメーカー直売のあらゆるデニム製品(在庫時々目玉品)が
投げ売りされていました。

そんなわけで、
10代20代と、毎年あらゆるスタイルのデニム製品を身につける機会には
恵まれました。

とにかく心地よいという感覚だけで毎日デニムを履いていました。
時代は空前のデニムブームでしたし、
なんにも考えずああ春だなあデニムだなあ、
秋だなあデニムだなあ的な感じでした。
デニム+Tシャツ、デニム+ニット、デニム+Pコート。

つまり私は極端にスカートをはかない女でした。


おしゃれについて

バスケと書道に夢中で、着るものにさほど執着のなかった当時の自分には
「ファッション」とか「おしゃれ」といった概念は全くなく、
上下ジャージ(ヤンキーのそれではなくアスリート系のガチなやつ)で
過ごしていてもおまえそれはないよ、とアドバイスをしてくれる兄弟姉妹
もなく、おしゃれ番長として憧れる存在も身近に皆無でした。
同級生のキラキラ女子たちのようにファッション誌を研究することもなく。
もちろんブランドにもまったく興味がありませんでした。
たまに古着屋のお兄さんが色々教えてくれたりもありましたがそれも
完全に男の世界でした。

若い日の私が生きていたのはひたすら非現実非日常の世界。
それは映画の中の世界であり、音楽の中の世界であり、
小説や漫画の中の世界であり。
憧れるのはその中で描かれる登場人物のスタイルでした。
そしてある日映画の中で出会ったのです。
理想のスタイルを体現した女性に。


かっこいいということ

シャルロット・ゲンズブール
(『なまいきシャルロット/1985』『小さな泥棒/1988』他)

長い首、長い手脚。スレンダーな身体。アンニュイな表情。時々見せる笑顔。

「なんてことだ。全然がんばってないのに、めちゃくちゃかっこいいし
かわいいし美しい。」

あとになって思えば映画なのでそこには計算されつくしたアイテムやヘアメイクが用意されており、全てが素晴らしいバランスで美しく見えたのは当然なのですが(しかもジェーン・バーキンとセルジュ・ゲンズブールの娘だし)
その完璧なナチュラルさにノックダウンされました。

この映画を見ていれば、女性にとって着るものがどれくらい生き方を左右するものかわかると思うのですが、ディテールの描き方が素晴らしかったのです。

そのあたりからでしょうか、「スタイル」というものを意識し始めたのは。

かっこいいということは、物がいくらかっこよくても身につけている人にスタイル(つまり何らかの意思)がないとあれなんだなあと。

逆に毛玉だらけのニットを着ていても彼女がその服を心から愛していて
生き生きとしていれば、それがスタイルになっていてむしろかっこいい。

自分はどんな場所に居てどんな人と出会うのか。
何をメッセージする存在でいたいのか。
かっこいいということは、その人のもつ「空気感」だったり「オーラ」であると確信したのです。
服はそのオーラを出したり隠したり自在に包むためのものであり、その生き方を支える一部であると。


瞳の強さ

昨年ラフォーレ原宿で開催されていた「RETURN OF THE RUDEBOY展」の会場で目にした言葉。

「あたまのてっぺんから靴の先までヒリヒリするほどキメていても、
最後に勝つのは瞳の強さ」

なんかそんな感じの言葉だったと思います。
意思のない服はただの布。
命をふきこむのは着る人自身。


そんなわけで、いまだに服という魔法のツールについてはコンプレックスと同時にあふれる希望を抱いて過ごす日々です。年を重ねるにつれ、スカートもワンピースも大好きになりました。変な形の帽子も大好きです。
良い靴、悪い靴。
上質なニットとダメなニットの違いも分かるようになりました。

男性も女性も、生きている限り、毎日どんどん姿形が変化していきます。
そのささやかな自分の変化にちゃんと向き合って、バランスを整えて
あげるきっかけが服だったりするのかもなと思うのです。


以上。
アンバランスさに定評有りの村上でした。

次のバトンはアメリカ衣料研究所所長の藤田仁志さんにお願いの予定です。

バトンを頂いたAtsuya Ikeda(@atsuya2000)さん、
こんな私にありがとうございました!

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