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恐怖マスクとの交差
少し人通りの多い場所へ行った。
人が多いとキャラクターの幅も広がるというものだ。
今は情勢的にも、出来るだけ外を歩いている。
しかし中々に暑い。
さすがに夏は危険も感じる。
スーハースーハー言いながら、マスクをぺこぺこさせて、用事のある場所に近い地下へと降りた。
同じくして、地下から地上へ上がる男性がいた。
(あー、自動ドアちゃうんかぁ…)
と、男性のことは全く気にせず、自分の中でそんな会話を繰り広げていた。
私は日頃から人を見てしまう。
当然、男性とのすれ違いに差し掛かろうとするにつれて、目に飛び込んでくる情報を拾いだしていた。
(男性のマスクが黒いなー…)
(あれ、マスクちゃうわー…)
男性は布を巻いていた。
どこか懐かしい、目出し帽の前verの銀行強盗のようなスタイルだ。
(あれやね、バンダナみたいなパターンやなー…)
(なにか描いてあ…る…?)
(……!!!)
その布に描かれていたのは骸骨だった。
もれなく顔の下半分は骸骨に見えるというわけだ。
瞬間、視線を察した男性の視線がこちらに来ようとしていた。
ぜひスローモーションの際の効果音をつけていただきたい。
こんな骸骨男、目なんか合ったら怖すぎる。
そう思う危機感からだろう、底力が出た。
視線は寸分の差で交差していった。
危なかった、危うく命を吸い取られるところだった。
アホらしい話ですんません。
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