『烏の緑羽』読了
ネタバレありです。
未読の方は回避してください。
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やだ、どうしよう。
翠寛のこと好きになっちゃう。
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ようやく、ようやく!
読みました『烏の緑羽』。
文庫化されるまで待とうと思ってたんだけど。
図書館に予約して順番待ちしてたけど。
やっぱり待ちきれなーい!となって電子書籍で購入しちゃいましたよ。
はー、面白かった。
良かった、待ちきれずに購入して。
(文庫が出たら文庫を買う)
表紙から、長束彦の話かと思ったけど(いや、長束彦の話でもあるんだけど)、翠寛の話だった。
考えてみればそうだ。
『烏の緑羽』だもの。
途中で「あっ、この少年は翠寛なのか!」と分かってドキドキしちゃった。
翠寛の芯の強さが、めちゃ格好いい。
翠寛のこと、意地悪な院士だと思ってて、ごめん。
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猿との大戦時の作戦について、翠寛が奈月彦に問う場面がある。
私は、このとき初めて、奈月彦は為政者として雪哉の価値をみてることに気がついた。
雪哉が忠誠を誓ったのは真の金烏である奈月彦だけど、奈月彦は個人的に雪哉のことを信頼していると思ってたんだ。
雪哉のことを信頼してるし、大事にも思ってるけど、それだけの関係ではいられないのが奈月彦の立場だということを、見過ごしてた。
勁草院の卒院の儀で奈月彦が雪哉にかけた言葉は、単純に雪哉の優秀さを褒めたんじゃなかった。
もっとずっと、重かったんだな。
奈月彦は、雪哉にわざわざ言ってはいないかもしれないけど、雪哉が気づかないわけない。
理解して、役割を全うしてきたんだよね。
もしかしたら、奈月彦がいなくなってからも。
ということで、結局は雪哉のことを考えてしまうんだけど、翠寛のこといい奴だなと思ったのは本当。
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それにしても、清賢院士は肚が据わりすぎだろ。