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第16週 木曜日 作家歌人漫画家 待賢門院堀河

第16週の作家・歌人・漫画家のカテゴリーは 平安時代後期の歌人である。女房三十六歌仙・中古六歌仙の一人待賢門院堀河です。


待賢門院堀河(たいけんもんいんのほりかわ)の生没年は不詳です。

お父さんは神祇伯・源顕仲であることが知られています。

また姉妹に、顕仲卿女(重通妾)、大夫典侍、上西門院兵衛がいることも知られています。


待賢門院堀河は前斎院六条とも呼ばれます。

その理由はまず待賢門院堀河が白河院皇女で斎院を退いた二条大宮令子内親王に出仕したからだと言われています。

後に鳥羽天皇の中宮・待賢門院藤原璋子に出仕し、堀川と呼ばれるようになったそうです。

康治元年(1142年)、主人・璋子の落飾に従い、同僚の待賢門院中納言と共に出家しています。

少なくとも一度は結婚したらしいことがあるようですが、夫とは死別されているそうです。

それは歌に残っているからです。幼い子供を残して夫が死んだという歌です。


  具したる人の亡くなりたるを嘆くに おさなき人の物語りするに
言ふかたもなくこそ物は悲しけれ こは何事を語るなるらむ

— 『待賢門院堀河集』

『金葉和歌集』以降の勅撰集、歌合等の他、家集『待賢門院堀河集』にも作品を残しています。


百人一首の待賢門院堀河の歌は(80番)『千載集』恋三・802に載っているい歌です。


長からむ心も知らず黒髪の 乱れて今朝はものをこそ思へ


現代語訳は

(昨夜契りを結んだ)あなたは、末永く心変わりはしないとおっしゃっいましたが、どこまでが本心か心をはかりかねて、お別れした今朝はこの黒髪のように心乱れて、いろいろ物思いにふけってしまうのです。


です。


この歌は、百人一首にも歌がある崇徳院の命で作られた「久安(きゅうあん)百首」にあるものだそうです。

久安百首は、いくつかのテーマごとに歌を詠んで合計で百首にするというもので、この歌は、男が届けてきた後朝の歌に対する返歌という趣向で詠まれました。

そもそも平安時代というのは男性が女性の家に行って一晩を明かすという慣習がありました。「後朝」というのは男と女が一晩を明かした翌朝で、男が帰った後で女の許へ「昨夜はとても幸せだった」と一首詠んで贈る、という雅な慣習があったのです。

それに対して女性が返したのがこの一首とです。

この歌、女性が「あなたの誠意は本当でしょうか、心配です」という繊細な女性の心の表現がだいたいの意味ですが、「黒髪の乱れて」というところなどに、情事の後のエロティックな雰囲気が現れていると考えられます。

黒髪の乱れ、という女性の愛の表現は、後の世の与謝野晶子の歌「黒髪の 千すじの髪の みだれ髪 かつおもひみだれ おもひみだるる」などに

取り上げられ有名になっています。


めぐめぐがすごいと思う待賢門院堀河のこと

1本人の情報はあまり分かっていないのだけれど、いろいろな歌に自分の人生を詠んでそのことが現在にまで伝わっていること

2そして百人一首に載っている歌が日本の女性の美しさを現代にまで伝える歌を詠まれていること。

3そしてその歌の良さが他の歌人によってさらに伝えられていること。









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