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第21週 金曜日 芸術家 金井田 英津子

21人目の芸術家は版画家で装幀家、造本家の金井田英津子さんです。


金井田 英津子(かないだ えつこ)さんは1955年(昭和30年)群馬県桐生市にお生まれになりました。

1980年(昭和55年)筑波大学大学院を修了されています。


1995年名古屋で個展「猫町紀行」を開かれます。


2004年(平成16年) 2003年の長谷川摂子著「人形の旅立ち」の挿画作品で、第18回赤い鳥さし絵賞を受賞されます。

長谷川摂子著「人形の旅立ち」(福音館書店、2003年)




2012年以下の本の画を担当されています。


長崎出版から出版された萩原朔太郎著「猫町」

この画本が出るきっかけは、1995年の古典の際、たまたま立ち寄った編集者さんとの出会いがきっかけで、パロル舎を紹介され、「本文用紙にオリジナル版画を直接刷り込むような本を作りたい」という金井田さんの提案を採用してもらったことによるそうです。



夏目漱石著「夢十夜」(長崎出版、2012年)



井伏鱒二著「画本 厄除け詩集」(長崎出版、2012年)

内田百閒著「冥途」(長崎出版、2013年)



版画家:金井田英津子 - 現代作家の軌跡訪問に金井田さんのインタビューがあります。少し引用します。


Q2.「版画」と「装幀挿画」を手掛ける時の違いを教えて下さい
版画はあくまで創りたいものを創りたい時に創ることにしています。それに比べ本の仕事は、発注者がいて、明確な目的があります。そこが違うとはいえ、私は元々ものを創る動機が外在するタイプなのでテキストからの刺激に反応して制作するのは楽しいです。
Q3.版画でしか表現できないものとは何ですか?
オリジナルが、極小のメディアとして複数が同じ存在感で成立している「版」という表現が好きです。タブローのような何処までも個に収斂していくものより社会に向かって開いている感じに安心感を覚えます。

Q4.「版画」を続けている理由などあれば教えて下さい
装幀挿画、演劇宣伝美術、ルポライトなどいろいろ手掛けていますが、版画はいちばん自分の素の部分が出せるものだと思っています。グラフィックデザインをするときも自然に版画の手順に従っています。版画を続けていることに理由があるとすれば、自分の嗜好の確認のためということでしょうか。

Q5.版画家を目指す人達にアドバイスなどお願いします。
内なる志向の赴くままに表現の可能性を広げていけばよいと思います。そして、それを発表し続けることです。私はこれまで自分の作家としての先行きにはっきりしたビジョンや戦略を持たないで来ました。ひたすら創って、出来たら人に見せてを繰り返すばかりだったのです。そんな迂遠なやり方でも時には目が開かれる出会いやうれしいチャンスが訪れることがあり、何とか続けてこられました。「鑑賞者を得てはじめて作品は完成する」との言葉通りだと思います。


めぐめぐがすごいと思う金井田英津子さんのこと

1版画の世界から、本を作る世界に移られ活躍されているとともに、版画も大切にされていること

2その素晴らしい絵で読者にその本の素晴らしい世界を伝えておられること

3そして絶えず新しい作品を発表され芸術を創り続けておられること。




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