着物とレコードと竹久夢二②
さくっと銘仙を観るつもりが美術館を出る頃にはドスーンとパンチを喰らった気分になっていた。前回の記事:着物とレコードと竹久夢二①
ともかく、銘仙という着物のサイケ振りにはたまげた。
銘仙は一昔前のカジュアル着とでも言うのだろうか。絣とも言われ鮮やかで大胆な色遣いや柄行きが特徴の着物だ。
ハートでかい。
花もでかい。
この柄戦前なんですよ。
昭和5〜8年頃のもの。
これらを学生が好んで着ていただなんて、なんと大胆な。笑
弾けてる!
これは戦後でネオンをイメージしたものだそう。
ひゃあって感じ。
デザインとかそういう枠をすっかりぶち抜いてる。笑
館内は土曜と言うこともあり、着物を着た若い女の子が沢山。満員御礼という感じ。少し前に浅草を歩いていても思ったけど、若者には最近着物の波が来ているよう。隣にいた女子2人組も「これ下北で普通に売ってそう〜」とキャッキャしていてちょっと笑えた。
このような大胆な色使いだったり大きな花柄だったりって、問答無用で乙女心をかっさらう。南野陽子のハイカラさんが通るに憧れた昭和生まれはきっと少なくない。あ、解らないですよね・・・
前回の記事でもわたしは竹久夢二の繊細さが好きだと書いたけど、この着物のパワフルさにすっかり圧倒された。好きか嫌いかよりも見るものを圧倒するパワーがあった。今のようなファッションのトレンド追従に走っていない(走れない)からこそ、こんな目の覚めるような柄と色使いが生まれたのだろう。
少し目蓋を休ませながら次の展示に進んだ。