ぶっ壊れた表情筋の正体
「なんか嬉しくなさそうだね。どうしたの?やっぱ不安だった?」
新しいことに挑戦させてもらえることになった時のこと。
本当は嬉しいのに。目の前の人が読み取ったのは、「私が不安を抱えているのではないか」ということでした。
こんな風に、時折、自分の気持ちと全く真逆に受け取られることがあります。
そうか、表情筋がぶっ壊れているのか、と。その時、心と表情が連動していないことに気づいたのです。
その一方で、こんな出来事もありました。
ある日、お世話になっている方に「忌避なき、フィードバックを」とお願いした時のこと。
フィードバックの内容は「気持ちが顔に出すぎている」ということでした。
一見、正反対に見えるけれど。その原因は、同じもの。本当にシンプルなことでした。
表情はコントロールできない
そのシンプルな事実に気づいたのは、あるプロのカメラマンの方とお話した時のことでした。
表情は、本来、コントロールできないもの。
どこか不自然な笑顔の写真って見かけたことあるでしょ?あれはね、自分を良く見せようとして、表情をコントロールしてるからなんだよ。
「笑顔なのに、目を大きく」なんて、無理な話。笑うのは、楽しい時。目が大きくなるのは、驚いている時。顔の上と下で全く違う気持ちを表現することなんてできないんだよ
「写真には心が映る」と言われているように。本当は心が表情に現れるはず。
そうか、ぶっ壊れていたのは、表情筋じゃなかったんだ。
ぶっ壊れた表情筋の正体は、感情を素直に出せていないことだったのです。
照れ臭さと迷いが表情を歪める
思い返してみると、私は、昔から喜ぶことが苦手。
嬉しいときに、必ず頭によぎること。それは「あれ?私、今どんな顔したらいいんだっけ?」ということ。
「目の前の人に、満足してもらえる振る舞いをしなきゃ」「今、喜んでいいのかな。なんだか、ちょっと照れくさいな」
そんな気持ちが、私の表情を歪めていたのです。
プロのカメラマンの方は、最後にこう言いました。
「写真映りを良くしたいならさ、まずは自分の感情に素直になることだよ」と。
きっとこれは普段の振る舞いでも同じ。
本当の表情を取り戻すために、今の気持ちをありのまま味わおう、そう思いました。
もう二度と、取り繕うことで、違和感を生むことがないように。
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